『鳩山家の勉強法:五代全員東大現役合格の秘密』

通信勉強塾アテネ著・多湖輝監修『鳩山家の勉強法:五代全員東大現役合格の秘密』(ごま書房 1996)を読む。
鳩山一郎の父親である鳩山和夫氏から数えて五代目(由起夫氏の息子)まで鳩山家では五代全員が東大に入学しているという。鳩山家の教育方法や由起夫、邦夫氏の勉強法などを紹介し、野口悠紀夫氏の『超勉強法』やエビングハウスなどの忘却曲線などを援用することで、短時間で効率的な受験勉強法のノウハウをまとめている。以下に気になったポイントを列記する。3日間ほど昼夜逆転生活が続いたので頭の回転も鈍く、ぼーっとして、体がきつい。歳とともに徹夜がきかなくことを実感せざるを得ない。

  1. 高校2年生か3年生の始めに志望校の赤本を買い、傾向と対策をつかんでしまうことが大切。その際英語や古典だったら予め訳を読んでしまってから解いてみると良い。また数学で詰まったらすぐに解答を見てしまう。入試の答えをまず先に見てしまう「逆さま勉強法」が頭に入りやすく、その後の勉強でも入試の要点がつかみやすい。
  2. 勉強で右手が疲れたら左手や首を動かすとその反作用によって右手を動かす領域の働きが抑制されて疲労がとれやすい。
  3. 問題を解いたら、結果をなるべく早くフィードバックしてやることが大切。これを「即時確認の原理」という。マクファーソンという心理学者が行った実験によるもので、結果を知りながら作業を行う方が、結果を知らせずにやらせた場合よりも何倍も精度が高まるという効果がある。
  4. 覚えた後に十分な睡眠をとると、却って忘れにくい。眠ってしまうと記憶が遠ざかってしまうと思いがちであるが、ジェンキンスの実験によると、学習後眠らずにいると、8時間経つと急激に記憶が減少してしまうが、学習後すぐに眠った場合は、学習後二時間後までは記憶の減少が見られるが、その後は減少しないという結果が出たそうだ。
  5. 教育心理学では必ず勉強することだが、エビングハウスの実験から記憶したことは9時間以内に復習すると最も効果が上がる。
  6. テレビというのは情報量が人間が意識する以上に多いので、勉強の合間に見ると逆に疲労が蓄積する。
  7. 適度なノイズは集中力に効果がある。ただし邦楽など意味のある言葉を聞くと集中力は妨げられる。ゆったりとした音楽を適度な音量で聞くのが良い。
  8. ミスした答案を100点になるまで繰り返す。スポーツ選手が何度も正しいフォームを繰り返して身体に覚えさせるように、何度も繰り返すことが勉強でも大切。
  9. 「超勉強法」でも紹介されていたが、連想や語呂合わせはバカに出来ない。また歴史や地理は資料集を用いて歴史的人物の顔を覚えるとか、地図で確認する癖をつけると記憶は向上する。
  10. まとめてして、何事も全体から部分という順番で勉強する。本にアンダーラインを引く際も全体をとにかく一度読んでしまってから、もう一度読む際に引くと、重要事項の位置づけが出来るので良い。

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