今朝の東京新聞に、EUの首脳会談で、フランス人のセリエール欧州産業連盟会長が演説の途中で「ビジネス用の言葉にする」とフランス語から英語に切り替えた途端に、仏シラク大統領と外相が会議を中座したとの報道が載っていた。小さい記事を読む限りの判断だが、恐らくはフランス国内向けのパフォーマンスであろうが、あくまで自国語にこだわるというシラク大統領の姿勢は評価できる。
フランス語を話せるということは合理的理性的な「近代」的素養をもった人間の証であり、フランス語の前では民族や宗教、地域といった「前近代」的なイデオロギーは無力化されてきたという歴史がある。言語ナショナリズムが他者の排斥ではなく、他民族の受け入れを促してきた側面がある。
日本でも戦前のようなアジア諸国に対する不健全な言語政策ではなく、いい意味で移民問題を解決できる言語のあり方を考えていきたい。
芸術のフランス語からビジネスの英語へ
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