『子育て迷い解決法10の知恵』

本日は上尾にあるスポーツ研修センターでの講習会で、狭い講堂に一日缶詰め状態であった。両隣の人と肩が触れ合ったまま一日座ったままの姿勢を維持するというのは精神的にかなり疲れる。。。

小児科医毛利子来『子育て迷い解決法10の知恵』(集英社新書 1999)を読む。
育児書というと、やれ病気やら成長・発育、幼児心理など細かい決まりがたくさん羅列されている本だと思われがちであるが、本書において、著者は子どもを一番よく知るのは親であり、親の「常識」的な判断こそが育児に一番大切なのだと説く。
歩く時期やしゃべり出す時期は子どもによって2年近く差があるのが普通であり、泣き癖や指しゃぶり、人見知りも成長の大事なステップである。また、授乳は特段時期や回数は定めず、子どもが欲しがったら与えてやり、離乳食も口をぱくぱくさせた時期がその子の開始時期である。睡眠や歯磨きも子どものリズムを大切にせよ。と、徹底して子どもが発するサインを柔軟に受け止めることが育児の基本であるとする。
「ひよこクラブ」や「ごっこクラブ」などの母親向けの育児雑誌を読むと、月齢・年齢別に子どもの近況やら発達ぶりが紹介されたページが巻頭を飾る。我が子との成長の比較するのに便利で、人気が高いという。
しかし、毛利先生はそうした他人の子どもとの安易な比較や情報に振り回されることこそが育児を苦しいものにしてしまう元凶であると述べる。子どもの有りのままの様子を受け入れる、それで充分なのである。

現代の医学と医療は、あまりにも全面に渡って育児に君臨しすぎている。その有様は、越権行為といえるくらいだ。そもそも育児は生活であって、そのすべてを医学と医療が覆えるものではない。なのに、生活の実状に合わない「指導」をすることによって、親たちに無用の不安を抱かせている。親たちの自主性と創造性の発揮を妨げることも甚だしい。

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