「ベネズエラ 増える児童労働」

本日の東京新聞夕刊記事より。
ベネズエラは日本の面積の2.4倍の912,050平方キロメートル、人口は2,795万人(2021年、IMF)となっている。

ベネズエラは、世界有数の石油産出国であり、同国経済は、石油収入に大きく依存している。原油の確認埋蔵量は、オリノコ川北岸の超重質油も含め、3,038億バレル(2020年、BP統計(2021))と世界第1位を誇る。また、天然ガスの確認埋蔵量は6.3兆立方メートル(2020年、BP統計(2021))と世界第7位で、この他にも、鉄鉱石、ボーキサイト、金、ダイヤモンド等を豊富に産出する。

こうした資源国では、資源を国家で独占することができる、独裁的な左翼政権が誕生しやすい。ベネズエラも例外に漏れず、1999年2月、低所得者層の高い支持を得て、独裁的なチャベス大統領が就任し、新憲法の制定や低所得層支援の推進、ベネズエラ石油公社の掌握を通じた経済活動によって、国家管理体制が強化されていった。

チャベス大統領の急逝後、2013年4月にチャベス大統領の後継者であるマドゥロ大統領が就任してから、より独裁色が強くなっていく。2019年2月には、米国との外交関係の断絶を発表、在ベネズエラ米国大使館閉鎖も閉鎖されている。さらに、イラン、ロシア等との関係が強化され、近年は特に、経済・金融を中心に中国・トルコとの関係を強化し、2019年8月には北朝鮮にベネズエラ大使館が開設されている。

2017年11月以降、ハイパーインフレーションが継続し、GDPは2014年以降マイナス成長となり、GDPは約80%減少もしている。政治社会情勢やインフラ悪化によりベネズエラ国民の国外流出が増加。特に、2019年の一連の情勢悪化を背景に急増し、これまでに約570万人のベネズエラ国民が近隣諸国(特にコロンビア、ペルー、チリ等)に流出する事態となっている。