本日の東京新聞朝刊に、アフガニスタン情勢が詳しく報じられていた。
地図にアフガニスタンの地図が載っているが、少し見にくいので補足しておきたい。アフガニスタンに南東はパキスタン、南西にはイランがある。また、1990年以前は、アフガニスタンから北にあるウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスといった中央アジアの国々はロシアを盟主とするソビエト連邦の国であった。1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻したと記事にもあるが、社会主義国のソ連や中国と敵対する、資本主義国のイラン、パキスタン、インドに挟まれた国がアフガニスタンであった。パキスタンもインドもイギリスの植民地であったというのは地理Aの授業でも触れたところである。
1978年までは、アフガニスタンに隣接したイランとアメリカは昵懇な関係だったのだが、1979年に反米・イスラム回帰のイラン革命が起こると、イランとアメリカの関係は決裂してしまう。その機を狙ってソ連がアフガニスタンに攻め入ったのが、10年近く泥沼化することになったアフガン侵攻である。米国がアフガニスタンの部族に武器を供給し、ソ連への攻勢に大きく加担した。シルベスタ・スタローンが主演を務めた映画『ランボー3/怒りのアフガン』(1988 米)は、正義のアメリカが現地のゲリラ部隊と手を取り合って、悪のソ連を迎え撃つという構図で描かれる。
しかし、2001年9月のアメリカ同時多発テロの首謀者とされるアルカ・イーダのオサマ・ビンラディンを支援したのが、かつて米国自身が資金や武器を供与したゲリラ部隊の一つであるタリバンであった。翌月10月以降、米国は一大攻勢に出て、アルカ・イーダをほぼ絶滅に追い込んだ。しかし、その後、紆余曲折がありながら、反政府武装勢力のタリバンが勢力を回復しているとのことである。これまでアフガニスタンを押さえつけていた米国が撤退する前で、既にこの状況なので、米軍が完全に撤退する今年の9月以降はどうなってしまうのであろうか。