『日本の神々』

上田正昭・鎌田純『日本の神々:「先代旧事本紀」の復権』(大和書房 2004)をパラパラと読む。
レポート作成の一助として手に取ってみたものだったが、道教の日本への受容について参考になる箇所が多くて、意外に読み応えがあった。

つい、先日武蔵大学の桃崎有一郎教授が、邪馬台国はヤマトと読むべきで、箸墓古墳こそが卑弥呼の墓であるとの新説を打ち出した。しかし、この本の中に次のような一節がある。こちらの方が桃崎教授よりも20年も早く「ヤマタイ=ヤマト」を主張しているではないか。

上田:邪馬台国の問題でも、「ヤマタイ」という読みは重箱読みなんですね。「ヤマ」と読んだら、普通は「ト」と読むべきです。「タイ」と読むなら、「ジャメタイ」と読むとか。「ヤマ」と読んだら「ト」と読まなければおかしいという意見に私も賛成です。しかし、これは日本人の読み癖のようなものです。江戸時代でもヤマタイ、ヤマタイと呼んで論争してきたのですから、それほど拘らなくていいと思います。でも正しくは「ヤマト」と読むべきでしょう。