「インド、南シナ海関与強化」

本日の東京新聞朝刊に、インドがフィリピンやベトナムとの軍事連携を強化し、南シナ海でのプレゼンスを高めていくという記事が掲載されていた。全くもって意味のない不要な緊張を招くだけの外交である。貧困や洪水で困っている人たちのためにこそ財政を動かしていくべきである。アメリカに追随するだけでよいのだろうか。非同盟・全方位外交の伝統はどこへ行った?

歴史に踏み込むと、かつてインドは日本の独立(米国隷属)を果たしたサンフランシスコ平和会議に参加しなかった国の一つである。インド・ビルマ(ミャンマー)・ユーゴスラヴィアの3カ国は、講和後における外国軍隊の駐兵を予見するような平和条約の規定や賠償問題への不満などを理由に会議への不参加を表明している。

様々な軋轢を抱える南アジアの盟主であるインドには、1955年のアジア・アフリカ会議でネルー首相が提唱したように、アメリカにもロシアにも属さない第3世界の結集軸として存在感を示してほしい。