「ニジェール2邦人退避」

本日の東京新聞朝刊に、ニジェールの軍事クーデターの様子が掲載されていた。
そもそもニジェールは日本から馴染みが薄い国である。西アフリカの内陸に位置し、面積は約130万平方キロあり、日本の役3.3倍となっている。人口は約2600万人で公用語はフランス語である。一人当たりのGNIは610ドル(2022)となっており、世界最貧国の一つである。ただしウランなどの鉱物資源の輸出が好調なため、失業率は0.5%となっている。

国境を見れば分かるが、定規で引いたようにまっすぐな数理的国境となっている。フランスがアフリカ支配に都合の良いように国境を引いたことが、サヘル地域の貧困と混乱に繋がっている。南側のナイジェリアとはニジェール川で繋がる同じ民族である。北側をフランスが支配したのでフランス読みでニジェール、南側はイギリスが支配したので英語読みでナイジェリアとなっている。もうすぐ人口2億人に達しようかというナイジェリアがニジェールを圧倒しているのが実情である。

記事を読む限りでは、軍事クーデターの背景にどのような動きがあるのかよく分からない。イスラム過激派なのか、ロシアや民間軍事会社ワグネルが絡んでいるとの報道もある。西アフリカ全体に波及する事件ともなるので注目していきたい。