『パリタクシー』

埼玉新都心で、クリスチャン・カリオン脚本・監督『パリタクシー(原題:Une belle course)』(2022 仏)を観に行った。
中年タクシー運転手が高齢女性の客を自宅から老人ホームまで運ぶ1日を描く。パリの観光名所や女性の過去の思い出の場所を辿りながら、女性の口から波乱に満ちた人生が語られる。現在と過去のドラマを通じて、女性は過去の生き方に満足を感じ、運転手はこれからの生き方に自信を得るという極めて文学的な作品となっている。話は単純だが、印象に残る作品であった。
ダニー・ブーンがタクシー運転手シャルルを、フランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノーが客のマドレーヌを演じる。

2日前に公開されたハリウッド映画『ワイルドスピード』目当ての観客が多かった。先月から公開され、一日に1回のみの上映となった本作とは、同じ車の運転手の映画であったが、極めて対照的であった。『パリ〜』の方は観客も高齢で、ぱっと見、50代以上の人しかいなかった。