本日の東京新聞朝刊にイラクの水不足が深刻化しているとの記事が掲載されていた。
イラクはもともと年間降水量が250mmを下回る砂漠気候(BW)である。そのため降水量の多いトルコに降った雨が、ティグリス川とユーフラテス川を通じてイラクに流れ込んでいたのである。そうした流水の大部分を上流の湿潤気候地域の降水に依存している河川のことを外来河川と呼ぶ。ティグリス川とユーフラテス川に挟まれた現在のバグダッド周辺でメソポタミア文明が起こっている。
20世紀は原油を巡る戦いが起き、21世紀は水を巡る戦いが生じると言われている。記事でもラマダン・ムハンマド教授は「国際河川の水量を巡る争いが地域紛争の火種になりかねない」と警告を発している。気候変動によって世界各地でこれまで経験したことのないような洪水や渇水が報告されている。水の持つ恵みと恐怖をきちんと認識しなくてはならない。