加藤保男『雪煙をめざして』(中央公論社 1982)を半分ほど読む。
Wikipediaで調べたところ、著者8000メートル峰に4度、エベレストに3度の登頂を果たし、世界で初めてエベレストをネパール、チベット両側から登頂している。また、世界で初めてエベレスト3シーズン(春・秋・冬)登頂にも成功している伝説的な登山家である。著者は3度目の冬季エベレスト登頂に成功したものの、その下山中に消息を絶っている。
本書は最後のエベレスト登頂に出発する前に書かれたもので、凍傷や滑落、大怪我の様子が淡々と書いてあり、半世紀前の登山のプロの世界を垣間見た気がした。ただし、地図もなく、周囲の人に説明もなく、本当に著者自身の言葉で綴られているので、全体像は分かりにくい。