本日の東京新聞朝刊記事より。
3学期よりアングロアメリカに入っていくので、ちょうど授業で扱う内容である。
人文地理学の分野に「一人当たりのGNIが低い国(地域)から高い国(地域)へ労働力は移転していく」という公式がある。日本国内でも高度経済成長期には、若者が地方から都会を目指した。アメリカの一人当たりのGNIは65,897米ドルで世界第5位である。人口1億人を超える国に限ると、もちろん世界第1位である。
こうした働き口に恵まれた米国を目指し、中南米から陸路でメキシコを経由して米国を目指す移民が後を絶たない。トランプ前大統領の頃には国境沿いに不法移民を防ぐための壁が建設されている。バイデン民主党大統領はそうした共和党の移民政策を批判して当選したのだが、状況は好転していない。
メキシコと国境を接するカリフォルニア州ではスペイン語を話すヒスパニック系の割合が年々増加し、2020年の国勢調査では、ヒスパニック系が39.4%で人口は1,557万9,652人となっている。2010年の調査では白人系の割合が最も高く、40.1%を占めていたが、2020年の調査では34.7%に減少し、ヒスパニック系と順位が逆転している。また同州は、ハワイ州に次いでアジア系の割合が高く、その割合は15.1%、人口は598万8,795人となっている。