何ヶ月かぶりに、春日部イオンシネマで、ポン・ジュノ監督・脚本『パラサイト 半地下の家族』(韓国 2019)を観た。第72回カンヌ国際映画祭パルム・ドールの受賞のほか、第92回アカデミー賞では作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の最多4部門を受賞した、韓国映画最高評価の作品である。『JSA』のソン・ガンホが主演を務める。
面白い映画だった。格差や社会的分断などの重いテーマを扱うが、テンポの良いドタバタコメディーで最後までスクリーンに釘付けだった。1990年代以降、一気に先進国の仲間入りをするまでに駆け上がってきた韓国の闇が丁寧に表現されている。戦後の日本の陰を描いた江戸川乱歩の小説のような雰囲気のある映画だった。
劇場を出て、華やかなショッピングモールに足を踏み入れた途端、日本社会だけでなく、自分自身も一皮剥けば、陰鬱な過去が広がっているのではという思いに捕われた。