『ブータン自転車旅行』

九里徳泰・林美砂『ブータン自転車旅行:ヒマラヤの秘境600キロをマウンテンバイクで走る』(山と溪谷社 1995)を読む。
この手の本は大好きなのだが、ブータン政府公認のガイドが付いて夫婦での冒険記ということもあり、あまり入り込むことができなかった。

本作で著者も述べているように、ブータンをいたずらに理想郷や秘境扱いするのは外国人旅行者の身勝手な思い込みである。実際のブータンは中国とインド、ネパールに挟まれた、人口80万人弱の小さい山岳国であり、独自の言語や文化を守るのに多大な負担を強いられている。そうしたブータンの国情はよく理解できた。