『人間万事塞翁が丙午』

第85回直木賞受賞作,青島幸男『人間万事塞翁が丙午』(新潮社 1981)を読む。
著者青島氏の母が営んでいた弁当屋を舞台に,1930年代後半から1949年までの人間模様を描く。直木賞を取っても全く異論の無い作品となっている。空襲や闇市騒動で社会がバタバタしていた中でも,逞しく生きる庶民の生活模様が細かく描かれており,当時の世相を知る意味でも面白かった。