「キャンベルさん 自民議員の発言『危惧』」

本日の東京新聞夕刊に、自民党の谷川とむ衆院議員による「(同性愛は)趣味みたいなもの」など、性的少数者を巡る一連の問題発言について、日本文学研究者のロバート・キャンベル東京大名誉教授が、自身の同性愛者を明らかにした上で以下のようなコメントを寄せている。

 政治家がこういうことを言うことに幻滅し、危惧も感じる。(性的志向は)自分の中に通底する一つの芯のようなものだ。大きな誤解が波及していくと感じ(同性愛者である)自分の立場から批評することが重要だと思った

(「生産性」がない、性的志向を「嗜好」と表現した杉田水脈衆院議員に対しても)性的志向を「嗜好」と混同させるように書いている。努力で変えられると思っているようだが、「直せばいい」という論理は多くの人の苦しみを助長する

(日本社会のLGBTへの態度を)やんわりと遠巻きに見るが、表立って公認しない。一人一人の当事者の可能性を閉じ込め、開花させない力が働いている

「自分の中に通底する一つの芯」という言葉に込めたキャンベル氏の思いは強い。その人の「性」を否定するということは、「生」を否定することに直結する。自己の認識と他社の認識が大きく食い違うところなので、十分な配慮を心掛けたい。