『鬼首殺人事件』

内田康夫『鬼首殺人事件』(光文社文庫 1997)を読む。
1993年4月に刊行された本の文庫化で、新人選手の松井秀喜の活躍や自民党副総裁を務めた金丸信をモデルとした犯人が登場するなど、時代を感じるものであった。殺人事件の舞台となった宮城県と秋田県の県境にある秋田県雄勝町(現・秋田県湯沢市)の位置関係が掴みにくく、久しぶりに大判の東北地方の道路マップと合わせて読んだ。
旅情ムードと社会批判が上手くミックスされ、多少荒削りながら、浅見光彦シリーズの初期の良さが詰まっていた。