塩野七生『わが友マキアヴェッリ第1部:フィレンツェ存亡』(新潮文庫 2010)をパラパラと読む。
全3巻で権謀術数の代名詞とされるニコロ・マキアヴェッリの生涯が描かれる。思索者というイメージが強いが、彼は29歳で官僚となったものの、メディチ家が政権に復帰したのを機に、43歳で牢獄に投げ込まれるという経験をしている。幸い1ヶ月半で恩赦となったものの、以後はフィレンツェから10キロほど離れた山荘暮らしを強いられ、彼の地で『君主論』を著している。
ちょうど、現在の私と同じ年齢だったので、40代半ばからの転進の勇気をもらった気がした。同じように逮捕された経験を持つ元外務省主任分析官の佐藤優氏の妙に感情の込もった解説には少々閉口したが。