『探偵倶楽部』

東野圭吾『探偵倶楽部』(角川文庫 2005)を読む。
1996年6月に刊行された作品の文庫化である。元々は1990年に発表された作品であり、携帯電話のない頃の電話線トリックなど、20数年の時代の流れを感じる作品となっている。
推理小説は一般に主役を務める探偵の人柄や行動が中心に描かれるが、この作品に登場する探偵は時折物語の流れに登場するだけで、素性も行動も全く明らかにされていない。そして、事件が一段落したところで、事件の全容をまとめたどんでん返しの調査書が依頼者の手に渡される。
いささか強引ではあるが、作者東野氏の初期の頃の意気込みを感じるテンポの良い作品であった。

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