大谷素道原作・構成、斉藤祐一マンガ『東大生が描いたマンガで学ぶ大学受験』(飛鳥新社 2007)を読む。
主に宅浪で、参考書を中心に勉強を進める浪人生向けに、英数国理地歴の5教科について、具体的な1年間の参考書学習のスケジュールと、おすすめの参考書について詳しく説明されている。歴史総合や理科基礎が始まる前の、2つ前の学習指導要領時代なので、現在とは当てはまらない部分もあるが、教科書や参考書を何周もこなしていくことで、しっかりと合格への道筋を示している良書である。黄色チャートへの評価や参考書の選び方から使いこなし方までびっしりと書かれており、私自身が受験生時代に読みたかった本である。
マンガの方はつまらない内容であったが、手に取るきっかけにはなる。改訂が望まれる本であった。
月別アーカイブ: 2023年11月
「『移民の国』揺らぐ政策」
「ネパール地震 157人死亡」
本日の東京新聞朝刊に、ネパールでの地震の模様が報じられていた。
ネパールは一人あたりのGDPが1300ドルで、アジア最貧国となっている。2020/2021年度の貿易統計を見ても、輸出が1,411.2億ルピーなのに対し、輸入は1兆5,398億ルピーと10倍以上の輸入超過となっている。コロナ禍で産業の柱であった観光も落ち込んだので、国全体が疲弊している中での大災害となった。
ネパールはインドプレートとユーラシアプレートがぶつかる変動帯に位置する地震多発地域である。現在でも年間45mmの勢いでインドプレートがユーラシアプレートを持ち上げ続けている。そのため、ユーラシアプレートの南端が隆起してできたヒマラヤ山脈は、年間10mm近く成長を続けている。ヒマラヤ山脈山頂付近で貝の化石が見つかるという話も納得である。
『「だから、生きる。」』
つんく♂『「だから、生きる。」』(新潮社 2015)をパラパラと読む、
シャ乱Qのボーカリストとしてデビューし、モーニング娘。の作詞、作曲、総合プロデュースとして活躍している著者の自伝である。刊行直前に担当した母校近畿大学の入学式の様子に始まり、路上ライブ時代や結婚生活、咽頭癌で咽頭全摘手術を受け、声を失うまでのやり取りが丁寧に綴られている。おそらくはつんく♂さん本人の手によるものであろう。
「米揺さぶる抵抗の橋軸」
本日の東京新聞朝刊に、中東におけるイランの反米戦線の様子が報じられていた。教科書的なスンニ派VSシーア派という対立構造は崩れ、直接にアラビア半島のスンニ派諸国やイスラエルを支援する米国に対し、イランや中国、ロシアが対立するという冷戦的な枠組みとなっている。
ガザ地区のハマスやレバノンのヒズボラは、貧困層への支援などイスラム主義に基づく運動を展開し、国会や自治政府に議席を持つ公的な組織である。
一方、イスラエルは強固な軍事国家である。世界で男女とも徴兵制度がある国は、イスラエル、マレーシア、ノルウェー、スウェーデン、北朝鮮の5カ国のみである。その5カ国の中でも、イスラエルは男性32ヶ月、女性24ヶ月と、北朝鮮に次いで長期間となっている。
今回の衝突は、ハマスの先制攻撃から始まったが、その背景にあるものをしっかりと理解したい。