日別アーカイブ: 2023年11月6日

『青春とはなにか』

直継伸彦『青春とはなにか:友だち・スポーツ・読書』(岩波ジュニア新書 1985)をパラパラと読む。
著者は京都大学文学部を卒業し、大学で文学を教えるかたわら創作活動を続けた文学者である。その著者が50歳を過ぎ、地震の子どもの成長と重ね合わせながら、若者に向けての読書の大切さと喜びを説く。
序章の中で筆者は次のように述べる。今となっては、いささかぶっ飛んだ主張である。文学作品で人を育てることができるのは国語教員としての理想ではある。ただし、現行の教育課程でも文学は国語教育のオプションの1つに成り下がってしまっている。そうした時代の中で、文学の持つ力は?

心の教育とは、まず第一に、人生の広大で深遠な実相を教えることである。人生の門口に立ったばかりの少年少女に、生き生きとした好奇心を喚起しながら、人生はこのようなものであるのかと実感させてくれるのは、理屈っぽい人生論や人生案内のたぐいではない。それは第一に文学書である。

『燃料電池とナノテクの時代』

Newtonムック『燃料電池とナノテクの時代』(ニュートンプレス 2007)をパラパラと眺める。
当時話題となっていた燃料電池とナノテクノロジーの2つについて、仕組みに始まり、商品化の可能性などが図入りで説明されている。

自己修復するプラスチックの開発に成功した名古屋大学工学研究科材料機能工学専攻材料物理化学講座の武田邦彦教授のインタビューも掲載されていた。現在ではバラエティ番組の科学者パネラーや右寄りの政治評論家としても活躍されている武田さんであるが、当時は極めて真面目な顔でインタビューに答えている。

量子コンピュータなど実用化されたものもあるが、水素燃料はあまり普及していない。リチウムの高騰なども一因か。