月別アーカイブ: 2021年5月

「中国の高齢化」

本日の東京新聞朝刊の社説に、「未富先老」(未だ富まず、先に老いる:豊かになる前に老いる)、中国全体が豊かになる前に、少子高齢化が急速に進んでいるとの内容が掲載されていた。記事では触れていないが、「未富先老」という言葉は、鄧小平が1980年代に唱えた「先富論」を踏まえている。鄧小平は1980年代の沿海部の改革開放政策を主導した人物としても知られる。廈門、汕頭、深圳、珠海、海南省の5つの経済特区も、鄧小平の号令によって始まり、現在も中国の経済発展の先導役を担っている。

「中国 チベット『解放』70年」

本日の東京新聞朝刊記事より。
授業の中で触れる時間がなかったチベット情勢についての報道です。新疆ウイグル自治区への抑圧に関する報道が続いているが、中国政府によるチベットへの圧政は70年に渡って続いている。チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世は、60年以上もインドでの亡命生活を続けており、チベットに帰ることができていない。ダライ・ラマ14世の亡命後、標高4,000mから5,000mのチベット高原を越えて中国とチベットの中心都市ラサを結ぶ、総延長2,000kmの青蔵鉄道が開通した。そして、チベットはどんどん漢民族が移住し、観光産業のおかげで経済発展を続けてきた。新聞記事にもある通り、経済発展の裏で政治的弾圧は数十年に及ぶ。

中国の政治経済を捉えるには、香港や台湾だけでなく、内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、インド、ミャンマーと、周辺国の政治経済と合わせて考えていく必要がある。
中間考査は終わったが、東アジア情勢への注視は続けていきたい。

『ミラクル』

文・辻仁成、絵・望月通陽『ミラクル』(新潮文庫 1997)を読む。
中学生以上の大人向けの絵本といった内容で、母のいないアルが大人へ変わっていく瞬間を描く。最後は読者の想像に任せるような展開で、一気に読み終えた。この手の本は苦手だが、辻仁成氏の初期作品のエネルギーを感じた。

子どもとのポタリング

下の子が26インチのブリジストン・シュラインに乗り換えて、レイクタウンまで走った。
小学校4年生で26インチは少々大きめだったが、何の問題もなく乗りこなしていたようだ。帰りは越谷・大相模不動尊大聖寺にある「虹だんご」に立ち寄った。男3人で6本の団子があっという間になくなった。

「対中投資協定の承認凍結」

昨日の地理Aの試験はいかがだったでしょうか。
この土日で採点を頑張ります。
さて、本日の東京新聞朝刊の記事です。昨日の考査で中国政府の新疆ウイグル自治区への圧政に対する米国の動きに関する記事を掲載しました。今日は欧州も人権問題を重視し、中国との貿易交渉を凍結するとの内容であります。
こうした各国の利害を超えた人権問題に関しては、周辺国が一致した対応をとる必要があります。日本の対応は極めて遅いですね。日本のメーカーは中国に多くの工場を抱えているので、中国政府に対して及び腰です。しかし、授業でも新疆ウイグル自治区に関する2本の動画を紹介しました。宗教や文化を踏みにじるやり方は、戦前の日本政府と同じです。「八紘一宇」「五族共和」のスローガンのもとに同化を押し付ける手法は、今も再生産され続ける憎しみしか産まなかった反省を生かすべきでしょう。