月別アーカイブ: 2020年11月

「米イラン包囲網 弱体化警戒」

本日の東京新聞国際面から。
バイデン政権となってイラン制裁包囲網が緩まないように、ポンペオ国務長官がトルコ、イスラエル、アラブ首長国連邦、カタール、サウジアラビアの5カ国を歴訪したとの記事である。

地理だけでなく世界史の中でも、イランがシーア派を国教としており、近隣のスンニ派との軋轢が繰り返されているとの話は繰り返し行っている。今回ポンペオ国務長官(日本の外務大臣)が回った国は、米国の同盟国でもあり、対イラン包囲網だけでなく、対ロシア包囲網ともなっている。「米国ートルコーイスラエルーサウジアラビア」VS「ロシアーイランーシリアーパキスタン」といった色分けができるだろうか。同盟・対立関係が入り組んでいるが、クリミア戦争以降のトルコとロシアの関係やイスラム教スンニ派とシーア派の対立、米国内のユダヤ教徒の暗躍などを理解していけば、比較的分かりやすい構図である。

20インチ自転車オーバーホール

20インチの6段変速自転車を整備した。
シマノのCIデッキという男の子が好きそうなギミックとシフトグリップの接続が理解できた。何事も説明書をきちんと読むことが大切だと実感した。また、大型のモンキーレンチは使いようである。

そういえば、先日「ネジザウルス」なる工具を購入した。ドライバーで回せなくなった頭の潰れたネジや錆ついて固くなったネジの頭をガッチリつかんで回す事が出来るという代物である。どうしても外れないチェーンカバーのネジが外れた時は、思わず「お〜!」と声を上げてしまった。雨ざらしにされることの多い自転車整備には必須の工具である。今回の整備でも活躍した。

 

『女の絶望』

伊藤比呂美『女の絶望』(光文社 2008)を読む。
「小説宝石」に1年にわたって連載されたコラムである。
ずばり、不倫やセックス、マスターベーションといった単語が羅列され、女の生き方や処世訓が有り体に語られる。女にとってリストカットもセックスも自分の存在を確かめるイタ気持ちいいものという考えは興味深かった。また女性は幾つになっても恋愛至上主義で、愛されている実感が自分のアイデンティティを支えるといった著者の物言いに、なるほどと肯くところが多かった。

「米制裁下のキューバ・ベネズエラ」

本日の東京新聞朝刊より。
中南米のキューバとベネズエラは、ともに反米左派政権である。オバマ大統領の時に中米のキューバとの歴史的な和解が成立したが、トランプ政権となってからは関係が悪化していた。また南米も格差が拡大しており、ベネズエラだけでなく、エクアドル、ボリビアなども左派政権が続いている。そうした中南米の国にとって「反米」は国民にとって共感しやすいワードである。

こちらも世界史のテーマとなるが、国民が政治的・経済的に分断される状況になった時、時の政権は分断を薄めるような全体主義に陥ってきた。国民の誰しもが共感するようなキャッチフレーズや、誰しもが反感を抱くような敵を設定し、そうした目的に真摯に向き合うポーズをとることで、国内の分断を隠してしまうのである。「反米」「反日」「反共」といった言葉が持て囃される社会の構造に目を向けるような授業ができればよいのですが。
この点については、第二次世界大戦前後のところで丁寧に扱っていきたいと思います。

『掏摸』

第4回大江健三郎賞受賞作、中村文則『掏摸』(河出書房新社 2009)を読む。
掏摸(すり)という珍しい題材は興味を引いたが、あまり面白くなかった。