本日の東京新聞夕刊に、香港の民主活動家の周庭さんや、中国政府に批判的な香港の日刊紙の創始者の黎智英氏たちを保釈したとの記事が掲載されていた。テレビのニュースでも報じられていたので、知っている人も多いであろう。
「香港国家安全維持法」などというトンデモ法を前にして、正攻法の司法闘争をしてもあまり意味はない。新疆ウイグル自治区やチベット自治区と同じように、なし崩し的に「中国化(漢民族同化)」がゴリ押しされるだけである。
保釈時にパスポートを没収されたとのことなので、自力で香港を脱出することは難しい。日本や米国、英国、台湾、ASEAN諸国の政府レベルで協議を進め、「人権」という共有点で、彼女たちをギリギリで守っていく体勢(亡命支援)が求められる。また、SNSを通して民間、草の根レベルで、香港における表現の自由を擁護していくことも有効である。日本政府のイニシアチブが問われている。
なお、付け加えておくと、某米国大統領のように、香港の「人権」問題と東シナ海や南シナ海における「軍事」衝突を安易に繋げてしまうのは避けたい。「中国政府は危険だ」という一方的な発想は、複雑な国際問題を単色な善悪の色メガネでしか捉えられなくなり、やがては米軍の東アジア展開を正当化し、沖縄の基地の固定化や日本の軍事費の増加に行き着いてしまう。