本日の東京新聞朝刊に、スリランカの大統領選の模様が報じられていた。
まずスリランカと聞いてすぐにイメージできるだろうか。インドの先端の南東に浮かぶセイロン島に位置する国である。旧首都はコロンボである。現在の首都はコロンボの郊外に新たに作られたスリ・ジャヤワルダナ・プラ・コッテという街にある。赤道が近く、ケッペンの気候区分ではAfとなる。←分かるよね。
世界史の授業を思い出して欲しいのだが、スリランカは16世紀の初め、1505年にポルトガルの植民地となり、次いで17世紀の半ば、1658年にオランダの植民地となり、18世紀にはイギリス東インド会社によってイギリスの植民地となっている。大航海時代以降のヨーロッパの覇権をそのまま反映したような歴史を辿っている。そして現在は、「一帯一路」経済圏構想によってインド洋に進出してきた中国との関係を深めている。
北海道の8割くらいの大きさで、人口も日本の6分の1しかないのに、多言語・多宗教国家となっており、25年以上に及ぶ内戦を経験している。スリランカの7割を占めるシンハラ人(主に仏教徒)とインド系のタミル人(主にヒンドゥー教徒)との間で大規模な衝突が繰り返された。さらに欧州の植民地だったので、キリスト教のシンハラ人や、イスラム教のタミル人もおり、民族と宗教が入り乱れた内戦となってしまった。この点も授業での説明と合わせて理解できるだろうか。
小さい国ではあるが、日本との関係は良好で、現外務大臣の茂木外相も昨年スリランカを訪れている。私は授業の予習として外務省の国と地域に関するページを参照している。そのホームページに、スリランカに関するレポートが掲載されている。簡潔で分かりやすいレポートとなっている。
夏の宿題にいかが。