本日の東京新聞夕刊より。
昨日の記事で、ベラルーシにおける反政権デモの高揚に対して、ルカシェンコ大統領がプーチンに支援を要請したとの報道がありました。プーチン氏が大統領選挙における不正疑惑を解明する前に、支援を表明したとのことです。
少し難しい話になってしまいますが、ベラルーシ国内には、ロシアで産出した天然ガスのパイプラインが建設されています。ベラルーシを経由してドイツまで繋がるロシア経済の生命線です。記事の中でベラルーシがエネルギー分野で脱ロシア化を推進しているとありますが、これを機にロシアとベラルーシの関係は元の鞘に収まっていくのではないでしょうか。
実は、ベラルーシだけでなく、ロシアの天然ガスパイプラインが建設されている国では、ロシアの後ろ盾による独裁国家が蔓延っています。カスピ海に面したアゼルバイジャンやカザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどの旧ソ連の国々が、ロシアとの資源取引で利益を独占する体質から抜け出せずにいます。一方で、そうしたロシアの資源外交の籠絡に反旗を翻したのがウクライナです。ソチオリンピックが開催された2014年に激しい衝突が起きました。
おそらくプーチンは周辺の親しい独裁国家がウクライナのようにならないように、様々な手心を加えていくことでしょう。2学期後半の授業で、地図帳を確認しながら、中央アジアやコーカサス地方の政治経済の難しさに触れていきたいと思います。