日別アーカイブ: 2020年8月13日

「風前の英石炭 再エネ急成長」

本日の東京新聞朝刊より。
産業革命の発祥の地である英国で、石炭火力発電が風前の灯火であるとの記事である。
記事内容から脇道に逸れるが、産業革命について触れておきたい。産業革命とは、18世紀の後半にイギリスで石炭を燃やす蒸気機関が発明されたことに端を発し、ポンプや紡績機、製鉄、蒸気機関車、蒸気船などに応用され、世界中の暮らしが激変した一連の流れを指す。

蒸気機関の燃料である石炭は、古生代(約5億4000万年前から約2億5000万年前まで)の頃に、シダ植物や針葉樹林が堆積し、地圧や地熱を受けて変成したものである。そうした古生代の頃に形成された地形を地理用語で「古期造山帯」と呼ぶ。世界中の大陸に遍在するが、とりわけ中国の北部地域や北米のアパラチア山脈、北欧のスカンディナヴィア山脈、ロシアのウラル山脈、南アフリカのドラケンスバーグ山脈、イギリスのぺニン山脈の周辺地域などが有名である。いずれもその地域で産出される石炭を使って工業発展を遂げている。

イギリスは自国で石炭を産出できるにも関わらず、石炭火力発電から再生可能エネルギーに舵を切っていくのだ。中国や南アフリカは依然として自国で賄える石炭火力発電が主流である。石炭の欠点は植物由来のため不純物が多いことだ。燃焼すると硫黄酸化物や窒素酸化物などの大気汚染物質が発生してしまう。日本も資源供給が安定している石炭火力発電に大きく依拠しており、再生可能エネルギーに尻込みしている。でも大丈夫?

こうしたエネルギー問題について3学期に考えていきたい。