田中義恭・星山晋也編著『目で見る仏像・如来』(東京美術 1986)を読む。
菩薩とは、人々を救済することを願い、自らも修行を積んで如来を目指す者、地蔵菩薩をはじめ我々に身近な仏像たちである。神仏の世界の如来に比べ、まだ人間らしく、様々なアクセサリーを身に付け、「会いに行けるアイドル」といった位置付けの仏像である。
菩薩の中でも一番如来に近いのが弥勒菩薩であり、菩薩の完成形である。その他、普賢菩薩や文殊菩薩、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩など、多くの種類の菩薩が紹介されている。とげぬき地蔵や子育地蔵などの馴染みのある地蔵から、中には、荒縄でぐるぐる巻きにされた縛られ地蔵や、豆腐を供える豆腐地蔵などの変わり種もある。人それぞれ、仏もそれぞれである。