日別アーカイブ: 2020年1月4日

「ペットボトルから缶へ」

本日の東京新聞夕刊に、海洋プラスチック汚染への対処として、企業や官公庁でペットボトルから缶へ移行が徐々に進んでいるとの記事が掲載されていた。

アルミ缶のリサイクル率は94%、ペットボトルは同84%となっている。いずれも欧米に比べ極めて高い率となっている。但し、国連環境計画(UNEP)によると、日本国民一人当たりのプラスチック容器ゴミの排出量は年間約32kgで米国に次いで世界ワースト2位である。

日本の夏はヨーロッパに比べて寒暖差と乾湿差が大きく、冬の寒さと乾燥により暖かい飲料が好まれ、夏は熱中症対策で水分補給が欠かせない。日本と飲料は切っても切れない関係である。江戸時代からいつでもどこでも水を飲むという習慣が日本の生活に根付いている。

ペットボトルの飲料を飲むなということではなく、マイバッグやマイボトルを持ち歩く方が、節約に繋がるしカッコいいという宣伝が必要である。芸能人やユーチューバーが広告塔になっても良いし、学校教育の中で環境教育を進めていくことも一案である。2年後から始まる地理総合の中で、海洋汚染をとりあげつつ、家庭基礎の消費者教育と連携する総合的学習も考えられる。

『スクラップ・アンド・ビルド』

第153回芥川賞受賞作、羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋 2015)を読む。
要介護認定を受けている祖父と、その祖父の尊厳死を狙って消極的な殺人に勤しむ20代後半の孫との交流を描く。入退院を繰り返し今際の際でジタバタする祖父と、筋トレに励み見事再就職を果たし成長していく孫の姿との鮮やかな対比がテーマとなっている。

作者はバラエティ番組にも度々登場するが、作者自身の心境小説のような雰囲気の作品であった。

「合成繊維のくずが海汚す」

本日の東京新聞朝刊に、フリースなどの合成繊維の糸くずがマイクロプラスチックとなって、海洋汚染に繋がるとの記事が出ていた。

近年コンビニのレジ袋の有料化やスターバックスのプラスチック製ストローの使用禁止など、マイクロプラスチックを巡る企業の取り組みの報道が増えている。勿論、その背景には環境に配慮したという企業イメージの宣伝もあるのだが、沿岸部だけでなく公海の汚染に消費者の関心が集まるのは良いことである。

記事にもあるが、マイクロプラスチックというとペットボトルの破片や人工芝の切れ端など、いかにも石油化学製品といったイメージが強い。しかし、東京農工大の高田教授が指摘しているように、合成繊維のくずは洗濯機のフィルターや下水処理で全てを取り除くことは難しく、二枚貝の体内から見つかったマイクロプラスチックの2割を占めるまでに至っている。

ストローやレジ袋と違い、消費者の目に見えないマイクロプラスチックでは、注意の喚起も難しい。世界自然保護基金(WWF)の三沢さんが述べるように、環境に配慮した服を使い捨てずに長く着ることが大切である。