月別アーカイブ: 2019年8月

「移植ツーリズム 国際非難の的」

本日の東京新聞朝刊に,富裕国の患者が貧困国に渡航して臓器移植を受ける「移植ツーリズム」なるものの記事が掲載されていた。

地理Bの教科書には,「エコツーリズム」や「グリーンツーリズム」などが紹介されています。また戦争や弾圧の史跡を巡る「ダークツーリズム」,地層や地形を巡る「ジオツーリズム」などもあります。さらには美容整形や歯科治療を目的とした「医療(メディカル)ツーリズム」も生まれています。

この記事にある移植ツーリズムも医療ツーリズムの一つとも言えるが,臓器ビジネスに絡むだけに,観光業という視点から論じることは出来ない。

「グリーンランド買収意欲認める 米大統領」

本日の東京新聞夕刊に,トランプ米大統領がデンマーク領グリーンランドの買収に動き出すとの記事が載っていた。
グリーンランドというとカナダの北部にあり,メルカトル図法(地理選択者は正角図法と覚えておこう)では,実際以上に歪が拡大されて表現されてしまう世界最大の島である。俄には信じられないが,赤道上のコンゴ民主共和国よりも小さい国である。

トランプ大統領が買収するということで,対ロシアとの緊張が高まるのではとの懸念が指摘されるが,人間が居住できる(エクメーネ)のは沿岸部のわずかな地域のみで,内陸の大半はアネクメーネとなっている。アメリカはルイジアナやアラスカなど買収によって領土を拡大してきた歴史があり,グリーンランドが51番めの州となっても不安こそあれ,違和感はない。

むしろ,グリーンランドがデンマーク領だという方が違和感が強いのでは。北海の資源を巡って新たな火種を作るのであれば,いっそのこと国際共同管理とし,グリーンランド西北部のカーナークに駐留するチューレ米空軍に撤退を頂くというのは如何であろうか。

「インドネシア首都移転」

本日の東京新聞朝刊に,インドネシアのジョコ大統領が,首都をジャワ島のジャカルタからカリマンタン島へ移転すると表明したとの記事が掲載されていた。

インドネシアでは,19世紀から中心のジャワ島から西部のスマトラ島や北部のカリマンタン島,スラウェシ島などへ住民を移住させる「トランスミグラシ政策」が進められてきた。しかし,移転先の先住民族との共存が上手く行かず,各所で弊害が生じてきた。現在では,13万平方キロのジャワ島に,2億3千万人のインドネシアの人口の約6割にあたる1億3千万人が住んでいる。人口密度はざっと1平方キロに約1,000人となっている。

オーストラリアのキャンベラやブラジルのブラジリアなど,首都移転によって新たに計画都市が作られた先例がある。カリマンタン島は赤道が横断する島なので,政治都市だけでなく観光都市という側面も持つのであろうか。