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『白球残映』

第113回直木賞受賞作,赤瀬川隼『白球残映』(文藝春秋 1995)を読む。
タイトルにある通り,野球をモチーフにした短編集で,「ほとほと」「夜行列車」「陽炎球場」「春の挽歌」「消えたエース」の5つの作品が収録されている。
野球に全く関係ない著者の私小説的な雰囲気の「夜行列車」が興味を引いた。大分の高校を卒業し銀行に就職しながらも,東大受験に向けて「仮面浪人」を続ける主人公の葛藤を描く。