北原保雄編『問題な日本語:どこがおかしい? 何がおかしい?』(大修館書店 2004)をパラパラと読み返す。
この本も授業の小ネタ用に職場の机上に用意しておいた本である。言葉の誤用について私自身が鈍感なせいもあり,あまりネタとして活用しないままであった。
読み返す中で,「雰囲気(ふんいき)」を「ふいんき」と読むのはおかしいという項目が目に留まった。確かに「雰囲気」を「ふいんき」とは読めないのだが,これと同じような現象が,「あらた(新)」→「あたら」→「あたらしい」や,「さんざか(山茶花)」→「さざんか」などに見られ,「ふいんき」も広く定着する可能性があるというのは興味深かった。
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自転車三昧
本日は自転車三昧であった。
午前中はロードのスプロケットの清掃とディレーラーの調整を行なった。
スプロケットは2年近く一度も外したことがなかったので,油でぎとぎとであった。クレ5-56と石鹸だけを使い手で擦ったら,意外に汚れがすっきりと落ちて気持ちよかった。
その後,フロントディレーラーの微調整を行なった。チェーンガイドの隙間の調整をしようと適当に調整ボルトをぐるぐると回したらディレーラーが動かなくなり焦ったが,何とか事なきを得た。素人がユーチューブを見ただけでいじり倒すものではないと実感。
午後は娘と一緒に,中学校通学用の自転車を買いにあちこち自転車屋を回った。白色の26インチで,ハブダイナモのオートライトで,荷台がしっかりとしており前かごも大きく,T字ハンドルは禁止なので除外し,親しい友人とかぶらないもので,高校に入っても使えるようにギヤありで,など色々と条件のハードルを上げていくと意外と選択肢が限られてしまう。しかし,あれでもないこれでもないと言いながら自転車を見るのは楽しい。結局,値段も考慮しビバホームのオリジナル自転車を買うことになった。熟練のおじさんに購入前に丁寧に整備してもらい,自分の自転車のように嬉しかった。
『漢字の知恵』
遠藤哲夫『漢字の知恵』(講談社現代新書 1988)をパラパラと読み返す。
職場に置いてあったもので,漢字テストの際の小ネタとして活用しようと思っていた本である。
300字ほどの漢字について,甲骨文字や金文,小篆などに遡って成り立ちや本来の意味について解説を加えている。
当時の人のものの見方や中国人と日本人の感覚の違いなどに触れている。
「烏」や「羊」「色」などの字義など授業で活用させてもらったのが印象深い。
『楽しくて役に立つ「地理と地図」の本』
向山洋一編・岩切洋一著『楽しくて役に立つ「地理と地図」の本:誌上旅行で日本と世界をかけ巡る!』(PHP研究所 1998)を読み返す。小学校や中学校の授業をする上でのコツがまとめられている。
気になったところだけメモしておきたい。
- カルデラとはスペイン語で「なべ」という意味である。
- 江戸時代の1828年に日本の地図を持ち帰ろうとして国外追放処分を受けたシーボルトはドイツ人である。オランダと中国しか交流を認めていなかった当時,ドイツ人が日本にいること自体がおかしいのである。するどい日本人が「先生のオランダ語は少し変だ」というと,シーボルトは「これはなまりだ」と答えたそうだ。
- 太平洋戦争中,ソロモン諸島にあるガダルカナル島での戦いでは,実に2万人以上もの将兵が命を落としている。これは戦争指導部に地理的知識が欠けており食料などの補給体制を整えておらず,半数以上は病死や餓死というものであった。
- 日本がはじめて世界地図に載ったのは12世紀にイドリーシーの書いた地図でのことであり,日本は「ワクワク」と表現されていた。これは「倭国」がなまったものと思われる。
- 「孫子」という兵法書に「地形は兵の助けなり」という言葉がある。
また,著者は次のように述べる。
第二次大戦に敗れた後,日本は占領軍の命令で,それまで地理と歴史を統合し社会科を誕生させました。本当ならこれで地理はもっと幅広い視野から学習できる学問になったはずです。しかし現実には,地理が,味気ない単なる暗記科目におちいりがちになってしまったように思われます。地理は政治・歴史と密接に関係します。非常にダイナミックな学問です。
先日の学習指導要領の改訂で,新たに「地理総合」が新設され必修科目となった。「歴史総合」や「公共」も含めて狭隘なナショナリズム教育という批判もあるが,地理という科目が単独で必修となったのは喜ばしいことと評価してよいのではないか。
『インターネットはグローバル・ブレイン』
立花隆『インターネットはグローバル・ブレイン』(講談社 1997)をパラパラと読む。
インターネットが一般化し始めた1996年6月から97年の6月までの1年間に雑誌に連載された記事がまとめられている。
スマホ隆盛の現在であるが,1995年の段階でマイクロソフトのビル・ゲイツがウォレットPC(財布型パソコン)の普及を予想していたというのは驚きであった。ゲイツ氏の述べるウォレットPCとは,ポケットに入るぐらいのカメラ・サイズの大きさで非常に薄いものであり,どこにいてもメッセージが受信でき,GPSが内蔵され,秘書の役目を務めるというものである。但し当時は手書き認識も音声認識も実用域に達しておらず,ゲイツ氏自身も実現までに10年近く掛かるだろうと予想している。