日別アーカイブ: 2018年2月26日

銚子ジオパーク

香取神宮の参拝の後,銚子に向かう。まずは犬吠埼を目指す。

銚子電鉄の犬吠埼駅に車を置いて自転車で少し走ってみた。激坂もあり,折りたたみのフロント16インチのアルブレイズではちと荷が重い。


東日本大震災の風評被害で2012年4月に倒産した「グランドホテル磯屋」の前で。波が打ちつける風光明媚な場所にあるのに。


銚子ジオパークを構成する千騎ケ岩,犬岩,屏風ヶ浦の様子。風が強く,写真だけ撮ってすぐに車の中に退散した。


屏風ヶ浦が見える銚子マリーナのすぐ裏手に,何かと話題の加計学園が経営する千葉科学大学があった。大学というよりは遠目には水産加工会社の赤レンガ倉庫のようだった。学食で休憩したのだが,夏には海水浴の観光客を相手にしているようで,定食とラーメン,カレー,アイス,ドリンクバーなどがメニューに並んでいた。確かに平日は学生食堂として,休日は観光客目当てにすれば一石二鳥である。加計学園もなかなかうまいロケーションを考えたものである。


最後に地球の丸く見える丘展望館・愛宕山に立ち寄った。展望館は300円の入館料が掛かるので,周りの風景だけを味わった。半島から突き出た拳のような岬の中心に位置する標高73.6mの小さな山で,地球うんぬんと称するには首を傾げてしまうが,波の侵食作用で周囲を削り取られたという成り立ちを考えると,まあそんなものかと思う。

香取神宮

千葉県香取市にある香取神宮を訪れた。銚子に向かう途中の国道の看板を見てふらっと立ち寄った次第である。
明治時代まで「神宮」と称される神社は,三重の伊勢神宮と茨城の鹿島神宮と香取神宮だけであったようだ。大国主の国譲りの際に活躍する経津主神(フツヌシ)を祭神とすることで知られ,伊勢神宮と同じような雰囲気を感じた。建物の佇まいなのか。木の芳香なのか分からないが,俗世の淀んだ心が洗われるようなさっぱりとした気持ちになった。
拝観料300円を払って宝物館にも入った。薄汚い館内に源頼朝の寄進状などの古い文献や重要文化財が展示されていた。しかし,総じて明治天皇,大正天皇礼賛を狙った明治百年記念式典(1968年)前後に作成された絵画や香取型戦艦の展示が多く,ある種の偏向が入った見せ方であった。
また,安倍晋三首相の「大和心」と題した真新しい石碑まで設置されていた。「内閣総理大臣」の名称こそなかったものの,政教分離の原則は何処へやら。

香取神宮の裏手にあった団子屋を覗いてみた。正真正銘の昭和の風景であった。いまどきこんなおもちゃを欲しがる子どもがいるのであろうか。童心を懐かしむ大人相手の商売だろうか。

『一冊でつかむ日本史』

武光誠『一冊でつかむ日本史』(平凡社新書 2006)を読む。
薄手の新書であるが,中央政権と地方勢力の均衡の崩壊や,朱子学や陰陽五行説の否定と科学思想の普及,ヨーロッパの市場拡大による世界分割などの要因によって歴史が動いてきた点に絞って,歴史哲学の視点から日本史を大づかみに掴むことができる一冊となっている。
平安時代の荘園制の発展は理解しにくかったが,縄文文化と弥生文化の対立の過程や,鎌倉幕府と室町幕府,豊臣政権の支配形態の違いなど,図説入りで分かりやすかった。