日別アーカイブ: 2016年11月14日

『マグマ大使』

手塚治虫『マグマ大使』(秋田文庫 1995)全2巻を読む。
1965年から1967年にかけて「少年画報」という雑誌に掲載され、日本初の全話カラーで作成された同名タイトルの特撮ドラマの原作となった作品である。
テレビ版とうまく噛み合わなかったのであろうか、いささかやけっぱちな展開が目立つ。
さらっと読み流したが、宇宙の始まりや、キノコの胞子の拡散など、流石と思わせる場面もいくつかあった。

『火の鳥』

手塚治虫『火の鳥』「黎明編」「未来編」「ヤマト編・宇宙編」(朝日ソノラマ 1976)の3冊を20数年ぶりに読み返す。
娘の部屋を作るので、押入れの棚の奥を整理していたら出没したものである。折しもNHKテレビで「手塚治虫」特集が組まれており、解説を識者の語る『火の鳥』解読を見ながら、一気に3冊読み終えた。
生と死を巡る壮絶なドラマが果てしない時間と空間のスケールで描かれる。テレビの解説にもあったが、歴史やSFの要素に絡めて、華厳経の「一即多 多即一」の教えにも通じる世界観や、善悪を超越した生命観などのテーマも織り込まれている。早く続きが読みたい。

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