三枝和子『女王卑弥呼』(講談社 1991)を読む。
あとがきの中で、「この遺蹟(吉野ヶ里)を卑弥呼の生きた場所にしよう」とある通り、北九州周辺にあったとされる奴国や末盧国、不弥国といった国々との政治の駆け引きに翻弄される、一国のリーダーとしての卑弥呼の活躍が描かれる。最後は、宗像三宮に数えられる辺津宮、中津宮を経て、九州と朝鮮半島とを結ぶ玄界灘のほぼ中央に浮かぶ沖ノ島の沖津宮へと渡り、後継となる壱与の出産と同時に命を落とすという大胆な想像を交えた物語となっている。素直に面白かった。
『女王卑弥呼』
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