辛酸なめ子『女子校育ち』(ちくまプリマー新書 2011)を読む。
中高女子校出身の作者が、都内の私立の女子校の文化祭や説明会に参加したり、女子校の教員や卒業生にインタビューしたりしながら、誰にでも分かる形で女子校の生態を詳らかにしている。一般に6年間の女子校生活というと、お決まりのドロドロした人間関係や男性の視線を意識しない自由奔放な振る舞いというイメージで語られがちである。しかし、実際は男性がいないために女性の中にある「男性性」が磨かれていき、良くも悪くも逞しくなっていく場であるとのこと。
しかし、近年ケータイやネットの発達、放課後の予備校の充実などで、純粋な女子校や男子校の雰囲気が過去のものになりつつある現状に、作者は一抹の寂しさをもらしている。
『女子校育ち』
コメントを残す