日別アーカイブ: 2014年9月11日

経済学史 第4課題

長期期待と金融市場
 Keynesは,投資においても流動性選好においても,「期待」の持つ役割を非常に重視している。マクロ経済学の移動的均衡理論は,「将来に対する見方の変化が現在の状況に影響を及ぼすことのできる経済システム」であり,同時に,群集心理によって投資が過熱する賭博的市場である。
 「ビジネス決意の基礎」には「短期期待」と「長期期待」がある。資本設備を一定とした企業の毎朝の生産量決定は短期期待である。一方,主として将来の資本設備を追加するケースは長期期待に依存する。長期期待とは「確信をもって予想しうるにすぎない将来」全体に対する心理的期待の状態であり,市場が安定していれば,将来への投資動機としてプラスに働く。しかし,「確定的な変化を予想する明白な根拠はないにしても,現在の事態が無限に持続するという仮説が普段よりは些か怪しくなった異常な場合には,市場は楽観と悲観の波に曝されることになろう」と,投資市場への確信が僅かでも揺らいでしまったら,長期期待は土台から崩れてしまう。
 「投機家は,企業の着実な流れに浮かぶ泡沫としてならば,何の害も与えないであろう。しかし,企業が投機の渦巻の中の泡沫となると,事態は重大である。一国の資本発展が賭博場の活動の副産物となった場合には,仕事はうまくいきそうにない」と,マネーゲームに翻弄され世界大恐慌の引き金となったニューヨーク市場の実情に触れている。さらに,投資の発展と阻害の機能を併せ持つ投資市場のジレンマについて分析を加えながら,「一般的,社会的利益を基礎として計算することのできる国家が,投資を直接に組織するために,今後ますます責任を負うことを期待している」と述べ,市場に国家政策が介入することの重要性を説いている。

アニマルスピリッツ
 Keynesは上述の「投機の基づく不安定性」がなくとも「道徳的,快楽的,経済的とを問わず数学的期待値に依存するよりも,むしろ自生的な楽観に依存しているという人間本性に基づく不安定性が存在する」と述べる。さらに,「将来に影響を与える人間の意思決定は,我々の生まれながらの活動への衝動であって,我々の合理的な自己は,可能な場合には計算しながらも,しばしば我々の動機として気まぐれや感情や偶然に頼りながら,できる限り最善の選択を行っているのである」とし,Keynesは人間をアニマル・スピリッツをもって知性を駆使する存在であると定義づける。

ケインズの経済政策
 Keynesによれば,経済社会の欠陥は失業と富・所得の不平等であり,消費性向を高める所得分配政策と,利子率政策,投資のやや広範な社会化の3つの政策の必要性を提唱している。
 1番目について,Keynesによれば,完全雇用が実現するまでは資本の成長において低い消費性向は阻害要因であり,貯蓄は過大となっているから,消費性向を高める所得分配政策が有利である。そうすれば富の不平等が是正されると見ている。さらに,マネーメーキングの動機と私有財産制度は,価値ある人間活動の実現に必要であり,同時に危険な人間の性癖を緩和するためにも必要だと述べ,拡大しつつあった共産主義に牽制を加えている。
 2番目の利子率政策とは「利子率を資本の限界効率との関係において完全雇用の存在するまで引き下げる」政策である。
 3番目の政策として,公共事業政策こそが「完全雇用状態を確保する唯一の方法」だとする。ただし,政府の役割は「消費性向と投資誘因との間の調整を図るための中央統制」までであり,これを超えた「国家社会主義体制」は正当化できるものではない。

 Keynesは「もし我々の中央統制が,完全雇用に近い状態に対応する総産出量を実現することに成功するならば,この点から先は古典派理論が再び本領を発揮するようになる」と述べ,個人のイニシアティブを効果的に機能させる政府のあり方を提示する。
 世界大恐慌後、ナチスが独裁政権を作りつつあった欧州戦線を意識し、Keynesは次の言葉で『一般理論』を締めくくる。「個人主義は,他のいかなる体制と比較しても個人的選択の働く分野を著しく拡大するという意味で,とりわけ個人的自由の最善の擁護者である。また,個人主義は生活の多様性の最善の擁護者でもある。生活の多様性を失うことは画一的あるいは全体主義的国家のあらゆる損失の中で最大のものである。なぜなら,この多様性こそ,過去何世代もの人々の最も確実で最も成功した様々な選択を包容する伝統を維持するものであり…将来を改善する最も強力な手段だからである。従って,消費性向と投資誘因とを相互に調整する仕事にともなう政府機能の拡張は…現在の経済様式の全面的な崩壊を回避する唯一の実行可能な手段であると同時に,個人の創意を効果的に機能させる条件であるとして擁護したい」。

経済学史 第3課題

不完全雇用均衡
 Keynesは仏語の『一般理論』の序文の中で,「総所得,総利潤,総産出量,総雇用,総投資,総貯蓄といった全体としての経済システムの動きである」と述べ,ミクロな動きではなく,マクロな視点を前提とする経済学を打ち立てた。古典派の雇用理論は完全雇用均衡の特殊状態を想定しているが,Keynesは財市場の均衡と労働の不均衡という不完全雇用均衡論を展開した。不完全雇用均衡とは,失業現象を,期待の外れに基づく市場の不均衡現象としてではなく,市場の自然的な諸力がその効果を発揮し尽くしたもとで成立する均衡状態とみなすことである。

非自発的失業
 Keynesは,賃金が納得できず働く意思がないために就業しない「自発的失業」や,転職の合間にあって就業していない「摩擦的失業」の2種類だけでは,1920年代から続く英国の高失業率は説明できないと考えた。そこで,「供給はそれ自らが需要を作り出す」とした「セイの法則」を否定し,労働供給が減っても雇用の需要は増えているという点に注目した。つまり,物価が上昇して,実質賃金が低下しているにも関わらず雇用量が増えるという状況においては「非自発的失業」が生じているとした。

有効需要の原理
 keynesは,雇用量N人とそれから生じる生産物の総供給関数をZ=φ(N),雇用量N人とその生産物の販売から予想される総売上金額をDとする時の両者の関係を総需要関数D=f(N)と表した。そして,ある雇用量のもとで,D>Zであれば,企業は両者が一致する点まで雇用量を増加させる。逆にD

本日の東京新聞夕刊より

本日の東京新聞夕刊に、第2次安倍内閣で総務相に就任した高市早苗衆院議員と自民党の稲田朋美政調会長ら国会議員3人が、「国家社会主義日本労働者党」を名乗る極右団体の男性と議員会館で会い、ツーショットで撮った写真が団体のホームページに公開されていたとの記事が掲載されていた。団体のページには、ナチス・ドイツの「かぎ十字」やのマークが数多く掲載され、「東亜新秩序建設」や「わが人種の優秀性を主張する」「攘夷すなわち民族浄化を推進しなければならない」といった民族差別丸出しのスローガンまで並んでいる。

高市さんも、稲田さんも団体代表の素性や思想について、知らぬ存ぜぬの洞が峠を決め込んでいるようだが、写真で明らかなように堂々たる確信犯である。暴力的な行為や公共的の場での発言に及ばない限り、「国家社会」何たら党が私的に作っているネット上で何を発言しようが自由だし構わないとも思う。しかし、議員会館で明らかに不自然な人物の面会を受けるのはどうかと思う。
両名とも自分たちは安全な場に居ながら、若者や貧困層が犠牲になる戦争を賛美するどうしようもない議員である。説得も議論も不要であろう。こういった輩には、手前らが軍服着て槍でも銃でも担いで尖兵を切ってこいと言いたい。エルサレムの中心部でハーケンクロイツと日の丸を背に、日本民族の優位性でも他民族の侮蔑でも堂々と主張してくればよい。
また、国際的恥さらしをしている人物を閣僚に入れた安倍総理の責任を追究する責任が野党にはある。さてどこが批判の急先鋒となるであろうか。期待したい。

以下、英紙「The Guardian」より転載

Neo-Nazi photos pose headache for Shinzo Abe

Two newly promoted political allies of Japanese PM shown smiling alongside far-right figure Kazunari Yamada
Pictures from Japanese neo-Nazi Kazunari Yamada's website show him posing with Shinzo Abe allies
Pictures from Japanese neo-Nazi Kazunari Yamada’s website show him posing with Shinzo Abe’s internal affairs minister, Sanae Takaichi, and his party’s policy chief, Tomomi Inada. Photograph: Guardian

Barely a week after Japan’s prime minister, Shinzo Abe, overhauled his administration amid flagging popularity, two of his senior colleagues have been forced to distance themselves from rightwing extremism after photographs emerged of them posing with the country’s leading neo-Nazi.

Sanae Takaichi, the internal affairs minister, was among a record-equalling five women selected by Abe as he attempts to make his cabinet more female voter-friendly and to increase women’s presence in the workplace.

Takaichi, an Abe ally on the right of the governing Liberal Democratic party (LDP), was pictured posing alongside Kazunari Yamada, the 52-year-old leader of the National Socialist Japanese Workers party, on the neo-Nazi party’s website.

A smiling Takaichi and Yamada appear together standing in front of a Japanese flag.

Yamada has voiced praise for Adolf Hitler and the September 2001 terrorist attacks on the World Trade Centre. In a YouTube video Yamada’s supporters are seen wearing swastika armbands, while he denies the Holocaust took place and criticises postwar Germany’s ban on the Nazi salute, accusing the country of being “no different from North Korea”.

Takaichi met Yamada “for talks” at her office in the summer of 2011, according to her office. Confirming the photographs were genuine, a spokesman for Takaichi claimed her office had been unaware of Yamada’s extremist views at the time.

“[He] was an assistant to an interviewer and was taking notes and photos,” a member of Takaichi’s staff told AFP. “We had no idea who he was back then but he requested a snap shot with her. [She] wouldn’t have refused such requests.”

Media coverage prompted her office to request that the photographs be removed but by then they had already been widely circulated on social media.

“It was careless of us,” the staff member said, adding that Takaichi did not share Yamada’s views “at all … it is a nuisance”.

A second photograph shows Yamada standing alongside Tomomi Inada, another close Abe ally who was given the powerful job of LDP policy chief. Inada’s office was quick to distance the MP from Yamada, whose website celebrates the “samurai spirit” and proclaims that the “sun shall rise again”, saying it would be disappointed if the photograph led people to “misunderstand what she does”.

While there is no evidence that either politician shares Yamada’s neo-Nazi ideology their appointment has fuelled accusations that Abe is taking his administration even further to the right.

Takaichi and Inada have both visited Yasukuni shrine, which honours Japan’s war dead, including 14 class-A war criminals; last week, Takaichi said she would visit Yasukuni again, this time in her role as minister. “I’ve been visiting Yasukuni as one Japanese individual, to offer my sincere appreciation to the spirits of war dead,” she told reporters. “I intend to continue offering my sincere appreciation as an individual Japanese.”

China and South Korea view politicians’ pilgrimages to the shrine as evidence that Japan has yet to atone for atrocities committed on the Asian mainland before and during the second world war.