月別アーカイブ: 2013年12月

SAYAMA みえない手錠をはずすまで

メーリングリストからの告知

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見えない手錠をはずすまで 公式ホームページ

上映会スケジュール
埼玉県下7ヶ所上映
 主催:部落解放同盟埼玉県連048‑525‑8531
2013年
■12月20日(金)
 埼玉県浦和市浦和コミュニティーセンター9階第15会議室
 開場18:00
 主催:北足立地区上映実行委員会
2014年
■ 1月23日(木)
 埼玉県東松山市松山市民活動センター大ホール4
 開場18:00
 主催:比企地区上映実行委員会
■ 1月31日(金)
 埼玉県本庄市児玉文化会館セルディ大会議室
 開場18:00
 主催:児玉地区上映実行委員会
■2月11日(火)
 埼玉県加須市加須市市民総合会館市民プラザかぞ1階視聴覚質
 開場13:00
 主催:北埼玉地区上映実行会
■2月14日(金)
 埼玉県狭山市狭山市民交流センターコミュニティホール
 開場18:00
 主催:入間地区上映実行委員会
■2月16日(日)
 埼玉県熊谷市勤労会館大ホール
 開場13:00
 主催:大里地区上映実行委員会
■ 2月28日(金)
 埼玉県越谷市サンシティ越谷市民ホール視聴覚室
 開場18:00
 主催:埼葛地区上映実行委員会

『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』

息子二人を連れて春日部イオンへ、本日公開の田崎竜太監督『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』(2013 東映)を観に行った。
子どもたちは「仮面ライダー鎧武」の変身ベルト(グッズ?)を奪いあって遊んでいるのだが、映画の方は、自分の深層心理に入り込んで敵を倒すとか、天下統一を目指す戦国時代の傭兵のような役割をアーマードライダーが担うというよく分からない設定の話であった。平成の仮面ライダーが15人が集合した豪華版なのだが、およそ原作のバッタとはかけ離れたヒーローばかりで誰が仮面ライダーで、誰が敵なのか区別がつかない。
4歳と2歳の男の子も楽しかったのか、つまらなかったのか、よく分からないような微妙な面持ちであった。

考えてみれば、子どもたちはハードディスクに番組を録画して何度も何度も見返しているが、30数年前はビデオがなかったので、番組自体は週に1度しか見ていなかったはずである。それにしても鮮明に記憶が残っているということは、絵本やシール、ごっこ遊びで子どもながらに頭の中にイメージを膨らましていたのであろう。

大学案内研究:横浜美術大学

横浜美術大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1966年、目黒区碑文谷にある小中高校のトキワ松学園の創立50周年を記念して横浜の郊外に開設された、造形美術科を持つトキワ松学園女子短期大学が母体となっている。ちょうど私の実家の近くに位置しており、トキワ松学園短大の正門前をバーベルを持ちながら走った記憶がある。1995年にトキワ松学園横浜美術短期大学に校名を変更し、2010年に4年制大学に鞍替えしている。
ここ数年は定員を満たしていないものの、交通の不便な場所にありながら、定員の8割位の学生を確保しているというのはすごい。
1年次は、絵画や彫刻のA系、クラフトデザインのC系、ビジュアルデザインのV系のいずれかに所属し、2年次より絵画、彫刻、クラフト、プロダクトデザイン、テキスタイルデザイン、ビジュアルコミュニケーション、映像メディアデザイン、イラストレーションの8つのコースに分かれる。
パンフレットにロンドンパラリンピックでゴールボール日本代表として金メダルを獲得した学生の話が紹介されていた。美術というジャンルは時間や協同に左右される音楽に比べ、障碍者の方にとっても親しみやすいものなのであろう。才能ある者が集まり、切羽詰まったような時間の中で演奏会や展覧会をこなしていく音大や美大も大事であるが、基礎から丁寧に教えてくれ、じっくり作品に向き合う時間を大切にする音大や美大もまた必要であろう。ただし、就職は厳しそうなので、金に余裕がある者という限定は外せそうにないが。
学長との対談記事が掲載されていた横浜美術館の逢坂館長の次の言葉が印象に残った。「美術」という言葉を別の言葉に置き換えても使えそうな文章だ。

生きていく上で、美術が与えてくれる役割は大きい。私は学生のみなさんに、是非このことに気づいて4年間という貴重な時間を過ごしてほしいと願っています。日本は物質的に恵まれた国でありながら、先進国の中で幸せだと感じている人の割合が少ない国だと言われています。そんな中で、自分がどうすれば本当に豊かな生き方ができるのか、足もとから見つめ直そうという若者が増えてきているように感じます。生まれたときから身の回りに物や情報が溢れているが故に、逆に自分の道筋、生き方を見つけにくくなっている。しかし、そういうときにこそ、美術を通して自分のオリジナリティを模索する意義は非常に大きいと思うのです。自分の創造性を育むことは、生きていく上で必ずや糧になる能力だと思います。いい環境に身を置いて、美術を通して自分自身とじっくりと向き合う。横浜で過ごす4年間が、みなさんの将来をより豊かなものにしてくれたらと願っています。

大学案内研究:帝京科学大学

帝京科学大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
1991年に山梨・上野原市に開学した新しい大学である。中央自動車道を走っていると大きな看板が見えるので名前だけは知っていた。数年前に東京・北千住にキャンパスを設け、山梨市キャンパスとあわせ3カ所のキャンパスで授業を行っている。学部ごとにキャンパスが異なるというのは他大にもあるが、帝京科学の場合は、同じ学部でキャンパスが全く異なるので大変分かりにくい。医療科学部は上野原の理学療法学科、作業療法学科、柔道整復学科と千住の東京理学療法学科、東京柔道整復学科、看護学科の6学科体制である。これで同じ学部として認可を出すというのは疑問である。また生命環境学部自然環境学科は上野原だけでは集まらないためか、1・2年次は学生が集まりやすい千住キャンパスでも学べる体制となっている。
大学という学問研究の場というよりは、全国規模で展開する予備校や専門学校と大差ない。パンフレットの体裁も専門学校と同じであり、カリキュラムについても。教養科目はほとんどなく、ただ国家試験に必要な科目を並べただけの簡素な内容である。
また、入試についてもAO入試や推薦入試でおよその定員を確保してしまい、一般入試は募集人員を下回る合格者しか出していない。こんなインチキ入試がまかり通っていいのか。真面目に勉強した生徒が不利になるような仕組みについては是正を望みたい。

大学案内研究:多摩美術大学

多摩美術大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
インテリアのカタログのような体裁で、在学生や卒業生の作品で埋め尽くされている。
1935年に東京都世田谷区上野毛に創設された多摩帝国美術学校が母体となり、1953年に絵画科・彫刻科・図案科からなる多摩美術大学が開設されている。沿革のページにわざわざ1969年学園紛争により全学封鎖と記載されている。その後1971年から八王子キャンパスへの移転が開始され、1989年には元の上野毛キャンパスに絵画学科・デザイン学科・芸術学科からなる美術学部二部が設置されている。美術学部二部は、1999年には造形表現学部と名称を変えたものの学生が集まらなかったのであろうか、来年2014年でもって学生募集停止が決定している。来年度以降は、日本画専攻・洋画専攻・版画専攻からなる絵画学科、彫刻学科、工芸学科、グラフィックデザイン学科、プロダクトデザイン専攻とテキスタイルデザイン専攻からなる生産デザイン学科、環境デザイン学科、情報デザイン学科、芸術学科と、来年上野毛キャンパスに開設予定の統合デザイン学科と演劇舞踊デザイン学科の10学科で構成される美術学部の単科大学となる。

大学の開設当初から「図案科」が設けられていたためか、デザインに重きが置かれる。昨年の入試倍率でもグラフィックデザインは10倍を超える難関である。
やはり制作の実践を根幹に据えた大学なので、文学部にありがちな美術理論や鑑賞を学ぶ芸術学科は人気がない。定員割れ状態であろうか。
また、八王子に移転を果たした後の上野毛キャンパスの有効活用のためか、理念のはっきりしないデザインや映像表現の学部を開設しており、来年度以降も看板を替えて延命を計っているが、わざわざ都心の狭いキャンパスを確保しておく必要があるのだろうか。この辺りが大学経営の脇の甘さにつながらなければよいが。

また、パンフレット冒頭の多摩美術大学の理念「自由と意力」の文章が格好良かった。

自由は最も尊いものである
ー美術は自由なる精神の所産ー
この建学の心を守る路程が
多摩美術大学の歴史である。
自由の校是は、与えられたものではなく
課せられたものなのだ
しかし意力の併起がなければ
自由は手段にすぎない
意力によって自由は生まれ
自由によって意力は育まれる
自由と意力
ひとくみの言葉は
学内に深沈として流れる美しい河である