地上波で放映された、錦織良成監督、中井貴一主演『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010 松竹)を観た。
タイトル通り、大手企業の出世コースを外れ、50歳手前で島根県出雲市の一畑電鉄に就職する男の姿が描かれる。リストラや工場閉鎖の指示などに齷齪していた男が、子どもの頃からの夢である電車の運転手になった途端に、声と表情に張りが出て、仕事に生き甲斐を感じるようになる。そうした夢と仕事に生きる男の姿を中井貴一さんが見事に演じていた。自分の今の仕事に対する熱意や、これからの生き方と考え合わせながら楽しむことができた。
また、島根県の田んぼの中を走る一畑電車に乗った大学最後の年の記憶も少しであるが蘇ってきて、少々の追憶に浸ることができた。
ただし、地上波での放映であったので、30分以上もカットがあったのが残念であった。こういう映画は細部までじっくり味わいたいものである。
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