新年あけましておめでとうございます。
今年も皆さまのご健康を祈念いたします。
今年2011年の元日の東京新聞朝刊の社会面のトップは、「子どもの貧困」という特集記事であった。
本日は「無料塾が救った笑顔」と題され、母子家庭の小学校2年生の女子生徒が、いじめにあい自殺を考えるというショッキングな内容であった。「母子家庭のくせに」とクラスの同級生からいじめられ、母親も育児を省みる暇がない状況が続いていたという。生活保護費と合わせ月収は20万円前後だが、夕食がおにぎりだけの日が週に2日もある。
記事では都内の生活保護世帯の子どもを対象とした塾が紹介され、塾に通うようになったその女子生徒が4ヶ月ぶりに笑顔を見せるようになったということである。
昔の貧困であれば、努力によって克服でき、アニメやドラマのモチーフともなった。しかし、現在では、勉強が苦手でも塾に通えないため進学を断念したり、中退したりして、また貧困家庭に陥っていく社会システムになっている。そうした負の連鎖を断ち切る必要があると、塾を立ち上げた若手弁護士は語る。
今年1年、公教育に携わる者の責務として、この貧困の問題について真摯に考え、少し行動してみたいと思う。しかし、貧困の問題を考える際に、「自己責任」やら「自助努力」といった余計な「知識」や、アニメやドラマ、自身の経験などから育まれた矮小な「常識」が往々にして邪魔をする。まずは新聞や新書をきちんと読み、確かな思考の枠組みを培いたい。
以下、新聞の解説の引用である。
経済協力開発機構(OECD)が2008年に発表した報告では、日本の子どもの貧困率は13.7%で、7人に1人が貧困状態にある。非正規雇用の増加などで、20年前の12%から悪化した。ここでいう貧困とは、4人世帯で年収が254万円、2人世帯で180万円を下回ることで、生活保護基準にほぼ重なる。子どもの貧困は将来、さまざまな社会問題を生み出しかねない。
さいたま教育文化研究所の白鳥勲さんは「本人がどれだけ努力しても貧困の連鎖を脱するのは難しい。社会が解決する問題だ」と話す。
病院や警察、消防、公共交通機関などの仕事そのものを減らすことは、正しい方向性ではないし、現場においてその是非を論ずることは難しい。宮子さんは、その点を理解した上で、国際労働機関(ILO)の専門家会議における「深夜労働は、男女共に有害である」「深夜労働がやむをえないものは社会的サービスや技術上の必要にもとづくもの」という勧告を社会全体で共有することが第一段階であると述べる。