石田衣良『4TEEN』(新潮社 2003)を読む。
銀座や築地の裏手に位置し、「もんじゃ」で有名な月島に住む4人の中学生グループの青春の一コマを描く。月島は、昔ながらの長屋と超高層マンションが同居 する不思議な空間である。ちょうど昭和と平成が、言い換えれば大人時間と子ども時間が同時に流れる空間といってもよい。作者は、その月島で大人世界と子ど も世界の端境にいる中学生を描く。
子どもの世界の中で急に大人びろうとする中学2年生の心理が、背景の月島と妙にマッチしており、純文学の薫りのする作品であった。
『4TEEN』
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