水谷修『夜回り先生』(サンクチュアリ出版 2004)を読む。
定時制高校の教員を務める傍ら、12年間に及んで深夜から明け方にかけて中華街の「夜回り」を続けた著者の思いがぶつけられている。
月並みであるが、「こんな教師がいたのか」という驚きを感じた。覚せい剤や暴走族、援助交際などに流れてしまう少年少女に対し、正面からぶつかり、長い時間かけて更正へと向かわせる。著者は完全な性善説に立ち、全ての子どもたちは良く生きようとする可能性を持っていると述べる。そして、そうした子どもの可能性を奪ってしまう社会や教育、大人たちに厳しい批判を投げかける。
今、姉妹はまだまだけんかを続けながら、生き合っている。しかし、それを知らせる二人からの電話の声は明るい
という一節が印象に残った。人は全て「生き合っている」のである。。。