泉鏡花『春昼・春昼後刻』(岩波新書 1987)を読む。
明治39年に書かれた作品である。神奈川県の逗子を舞台に、ある散策子がひょんなことから寺の坊主から男女の恋物語を聞き、その恋物語世界と現実世界が奇妙に交錯していく。そして一体現実世界なのか、芝居なのか、はたまた夢の中なのか判然としないまま話が展開していく。文語が入り混じった読みにくい語り口ではあるが、村上龍の初期の作品にも似た現代文学風な感じもする。
相も変わらず勉強は捗々しくない。いよいよ残り一ヶ月を切った。この時期に泉鏡花を読み耽るとは、完全に「逃避」そのものである。。。