4月12日付けの東京新聞で酒田短期大学の問題が特集されていた。
同短大を経営する瑞穂学園自体がかなりずさんな学校経営を行なっていたようだ。同法人は、福岡で不登校の生徒や中国からの留学生を積極的に受け入れている私立高校や専門学校も経営している。同短大は66年に開校し、これまで約3000人の卒業生を送りだしているのだが、最終学歴というのは日本では終生つきまとうものなので、卒業生はさぞかし肩身の狭い思いをしていることだろう。また私立学校の経営は法人単位で行なっているので、同法人が経営する他の学校に問題が波及していく恐れがある。
それにしても今回は何が一番問題になっているのかよく分からない。確かに奨学金の流用や、学費の払える中国人を優先的に合格させていた不正入試は学校法人としてあるまじき行為である。しかし中国人留学生の首都圏への移住は大学だけの問題ではない。文部科学省自身アジアからの留学生が最近アメリカへ流れてしまっていることに危惧し、10万人の留学生受け入れ政策を打ち出しており、この手の問題が発生することは必至であっただろう。またマスコミの報道もかなり一面的である。多くのマスコミが多数の中国人留学生が風俗産業に従事していたと差別排外主義的に報じている。不況下の中での外国人バッシングがどのような影響を及ぼすのか、過去の歴史をひも解いて見れば一目瞭然である。瑞穂学園の法人団体としての不正と、それ以外の問題は分けて考えてみるべきである。