現在図書委員会の顧問をやっており、先日委員会の通信を発行した。その一部を抜粋してみよう。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また2・3年生もこれからが高校生活の本番となります。
さて、高校時代の3年間は思いっきり読書ができる時間でもあります。是非良い本に巡りあって、高校生活に豊かな彩りを加えて欲しいと願います。ある一人の作家の本をとことん読み、その作家のことを好きになっていくということは、人生のこの上ない幸せです。人は常に孤独と向き合っています。特に若い人はもしかしたら自分は誰からも理解してもらえないかもしれないという孤独にかられます。だから、人は「寂しい自分」から逃れるために友人恋人を求めます。そしていつのまにか向き合うべき自分を忘れていきます……。文学というものは難易の差こそあれ、一人の作家の孤独の表現と言い換えることができます。読書というのは単に国語の点数が上がるだけのものではなく、作品の登場人物の心を知ることから、その作家の他人や社会からの孤独が理解でき、そしてそれを読んでいるあなた自身と出会うことができるものなのです。
若い君たちにとって一冊の本との出会いが人生の針路を決めることもありましょう。残念なことに、人間はいつまでも多感ではいられません。歳をとるごとに感動することが難しくなってきます。中年になっても素晴らしい本や映画を楽しむことはできますが、それがこれから将来を決める決定打にはなりえません。高校時代にこの本に出会っていたらと後悔することの繰り返しばかりです。人との出会いも本との出会いも一期一会です。繰り返しますが、是非素晴らしい本との出会いを期待しています。現在オススメの本の一覧を図書室の壁に掲示してあります。どの本も人生を変える、もしくは狂わせる力のある本ばかりです。