読書」カテゴリーアーカイブ

『原発社会からの離脱』

宮台真司・飯田哲也『原発社会からの離脱:自然エネルギーと共同体自治に向けて』(講談社現代新書 2011)をパラパラと読む。
原発や戦争など、一度動き出したら内の人の都合で暴走してしまう日本社会の病理に切り込んでいく。飯田さんは京都大工学部原子核工学科出身で、いわゆる「原子力村」の中心にいた人物である。原子力村というと経済産業省と電力会社が一体となって原発をゴリ押ししてきたというイメージがあるが、政治家にも霞ヶ関にも電力会社にも経済的な観点から原発反対の勢力がいたとの報告があった。しかし、そうした声を遠ざけて採算の目論みのない原発に傾倒していった日本人の頭の悪さを指摘する。

『両さんと歩く下町』

秋本治『両さんと歩く下町:「こち亀」の扉絵で綴る東京情景』(集英社新書 2004)をパラパラと読む。
数年前に連載が終わった『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の扉絵に込められたエピソードが紹介されている。下町の風景がどんどんなくなってきているので、努めて下町の商店街や踏切、橋などの風景を残しておこうと、物語そのものも下町にシフトしていったとのこと。時代に愛された漫画であったと思う。

『宇宙物理への道』

佐藤文隆『宇宙物理への道:宇宙線・ブラックホール・ビッグバン』(岩波ジュニア新書 2002)をパラパラと読む。
物理学の本というよりも、著者の自叙伝となっている。山形県の田舎の高校から京都大学に進学し、湯川秀樹氏や朝永振一郎氏らに師事し物理学を極めていく。1938年生まれの著者だが、宇宙物理学が飛躍的に進歩した時代と重なっており、幸せな学究生活であったことが窺われる。

『絶景ビジュアル図鑑』

神奈川県立生命の星・地球博物館監修『絶景ビジュアル図鑑:理科が楽しくなる大自然の不思議』(学研プラス 2018)を読む。
火山やサンゴ礁、宇宙など、大判の図鑑で紹介されている。やはり大判の本は迫力が違うと改めて思った。

『ゆめいくみはっぴぃ』

さだまさし『ゆめいくみはっぴぃ:夢行見発飛』の第2巻を読む。
バラエティに富んだ内容で、詩と対談と外国の歌手に関する評論の3つが収録されている。対談も小説家の森敦、バイオリニストの佐藤陽子、漫画家のちばてつや、落語家の林家彦六など多彩な顔ぶれである。

さだまさしさんはバイオリンを諦め、大学も中退し、バイト生活に明け暮れながら曲を作ってきた経歴の持ち主である。対談においても相手の話を引き出し、繋げていく話術に、読者もついつい引き込まれていく。