北芝健『ニッポン犯罪狂時代』(扶桑社 2006)を読む。
刑事警察や公安警察の捜査に従事した著者が、日本における犯罪の増大・凶悪化を指摘する。少年犯罪やサイバー犯罪、外国人犯罪、暴力団、性犯罪、危険運転、北朝鮮など、様々な分野で犯罪が巧妙化しているという。そして、警察官出身だけに、現場の警察官の労力を労い、一部の人権派弁護士やマスコミが犯罪取り締まりの阻害要因になっていると断じる。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『希望のマッキントッシュ』
山川健一『希望のマッキントッシュ』(太田出版 2004)を読む。
マックOSX 10.3が登場した頃の作品である。ちょうどiPodやiTunes、iMovieなど、今もってアップデートを続けるアイテムやソフトが出そろった年であり、マックの特異性や先進性、ファッション性を賞賛するような内容である。
新学期が始まって、夏の疲れが心身両面で出てきたように感じる。
引っ越しの準備も遅々として進まず、明日までに明後日までにやることに追われている。5年後10年後とは言わないが、せいぜい半年先まで見据えた生活をしていきたいと思う
『「国会」の舞台裏』
平沢勝栄『「国会」の舞台裏』(PHP研究所 2006)を読む。
今から5年ほど前、小泉元総理が引退を表明し、後継者選びがマスコミを賑わせていた頃の話である。
ちょうど民主党では「偽メール」問題が起こり、現総理大臣となった当時の民主党の国対委員長であった野田氏が責任を取って辞任となった頃である。
隔世の感すらあるが、領土問題や外交姿勢、治安体制などに関する平沢勝栄氏の持論が分かりやすい語り口で述べられている。
警察官僚出身だけに、彼の政治的主張は分かりやすい。後藤田正晴氏を崇敬し、警察の質的・量的な拡充を第一とし、あらゆる「ルール」の厳格化によって、外交や政治、社会の規範を高めていくという法治主義に根ざしている。
大変参考となるような見解も多いのだが、平沢氏の一番の墓穴は、学生時代に家庭教師をし、政界でも面倒を見てきた安倍晋三氏を強く推してきたことであろう。今現在、彼の安倍氏の恥ずかしげもない賛辞を読むに、平沢氏自身の見識が疑われても仕方ないであろう。
『唯物論研究』
本棚の奥から、季報『唯物論研究』(季報『唯物論研究』刊行会 1998.7)を取り出してぱらぱらとながめてみた。
唯物論とは何か、唯物論は人間をどのように理解し、人間の社会行動をいかに解釈するのか。これは季報『唯物論研究』がたえず立ち返り検討しなければならない課題である。
現代の唯物論とは、「唯物論」を公認としたソ連邦が崩壊したことによって「解放された」唯物論のことなのか、それとも資本主義社会の生み出す唯物論の全面的展開のことであろうか。現代日本の社会的思潮は唯物論が当たり前となっているように見える。今あらためて唯物論を論じることが、混沌たる現代世界の未来を見るために、何か寄与するところがあるのだろうか。
編集委員である大阪音楽大学教授の高橋準二氏は論の冒頭で述べているように、「唯物論」の存在意義そのものを問い直すことが求められているようだ。
田畑稔編集長は「唯物論」について「対談 唯物論はどこへ進む」の中で次のように問題を提起している。
われわれが現に入り込んでいる生活諸関係の中で思想の意味を考えないといけないと思います。しかし、かつては、たとえばエンゲルスのいう「哲学の根本問題」のように、人類の始まりにさかのぼってそこから一貫して唯物論と観念論に対立があるんだという形の処理の仕方になっていたのではないか。こういうことを反省の基礎に置いて、弁証法的唯物論にはどういう意味があったのか問い直す必要がありましょう。
弁証法的唯物論(マルクス主義的実践哲学)が市民社会の唯物論(資本主義を支える物質主義)に負けたことは明らかな事実であって、海の向こうで負けただけじゃなくて、日本でも負け、われわれの内面でも負けているわけですから、そこはきちっと認めたうえで、唯物論というものの可能性・現在の在り方・批判する方向が問われているのではないか。僕自身はかなり前から、自己反省的に感じていたことなんです。
(中略)マルクスは「新しい唯物論」という形で市民社会の唯物論に対する批判を対置して行くわけですけれど、新しい唯物論という形で行くのか、それとも新しい唯物論にはならないのか。この辺りが唯物論の今日的課題でしょう。
ここで論じられている「唯物論」とは、観念論や唯心論を退け、人、物、金の動きから社会を構造的に見つめ、その生成過程を根本的に変えていくという運動としての理念である。その大元の理念が揺らいでしまっているので、実践主義の運動がうまく回らないと問題視されているのである。しかし、こうした理念と実践の問題は、「卵が先か、鶏が先か」と同じで、結論が出ないものである。観念としての「唯物論」論争に陥ってしまっている感が拭えなかった。
『対論・筑紫哲也 このくにの行方』
TBSニュース23製作スタッフ編『対論・筑紫哲也 このくにの行方』(集英社 2003)を読む。
ずいぶん前から本棚に鎮座していた本であるが、タイトルが気になって手に取ってみた。2002年8月から2003年9月にかけて放送された番組内容に補筆、加筆を加えて構成されたものである。キャスターであった故筑紫氏が、カルロス・ゴーン日産自動車CEOや養老猛司氏、加藤周一氏、緒方貞子さんなど8人の論客を相手に、経済・社会・政治・教育・文化など様々な面における日本の可能性を問うという形で進行していく。
この手の話は、日本の将来を悲観的に捉え、現状の問題点を指摘するという結論に流れやすい。しかし、この本では「日本的経営」や「ものづくり」「芸能文化」などで、日本は秀でた業績を残しており、グローバルな視野持ちつつも、自信を持って伸ばしていけばよいと述べられる。
