中島敦記念賞受賞作、酒見賢一『墨攻』(新潮文庫 1994)を読む。
諸子百家の一つで「兼愛」「非攻」を唱えた墨家を題材とした歴史小説である。墨家は文献もあまり残っていないので、漢文でもあまり取り上げられることのない思想家である。私は勝手に、「兼愛・非攻」という言葉のイメージからジョン・レノンのような人間愛的な教えを唱える集団だと捉えていた。しかし、作者酒見氏は、徹底した規律と技術によって城を守る専守防衛の戦闘集団と考え、とある小さな城の攻防を描き出している。読みやすい文体と分量の小説であったが、場面場面が印象に残る作品であった。
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『人生で手帳は変わる』
フランクリン・コヴィー・ジャパン特別編集『人生で手帳は変わる:1週間で身につく手帳実践マニュアル』(アクタス・ソリューション 2007)を読む。
経営コンサルタントを手がける同社が販売するシステム手帳や『7つの習慣』という一連のセミナー事業の入門書といった趣の本である。
内容を有り体に言っちゃえば、30代〜40前半の男にとって、仕事一辺倒の人生ではつまらない。しかし、家族や趣味、ボランティアといったものは目標がないのでなかなか達成感を得られない。ビジネスマンたるもの、仕事や家族、趣味、地域活動などバランスよい人間に成長していかねばならない。そのためには、全ての領域において、「自身の価値観」「人生目標」「月・週・日単位の短期目標設定」などを分析・設定し、「Plan-Do-See」サイクルで実践しよう。そのために同社のシステム手帳を活用しようというものである。ジャンジャン。
まさに中堅層をターゲットとした社員研修のような内容である。気軽読みたかったのだが、よそ見していたら注意されてしまいそうな感じの本で、あまり内容は頭に入ってこなかった。
『手帳進化論』
舘神龍彦『手帳進化論:あなただけの「最強の一冊」の選び方・作り方』(PHP新書 2007)を読み返す。
同じ本を二度購入してしまったので、ざっと読み返す。まだスマホが出始めた2007年当時に、クラウドサービスやScanSnapの活用と併用した手帳術を打ち出すなど、視点は鋭いものがある。
『手帳とノート 魔法の活用術:仕事の人生がシンプルになる!』
和田茂夫『手帳とノート 魔法の活用術:仕事の人生がシンプルになる!』(技術評論社 2005)を読む。
「手帳オタク(自称)」な著者が、長年の遍歴を経て編み出した手帳の活用術、メモ術のノウハウが公開されている。著者は、スケジュールとToDoリストを書き込む「手帳」、将来必要になる様々な切り抜きやアイデアを保存する「ノート」、そして会議の記録や日々の雑感を書き留めておく「メモ」の3点の機能が大切だと述べる。また携帯電話の活用や、仕事のゴールデンタイムなど、著者が試行錯誤しながら得た経験が様々紹介されている。なかでも、日々の仕事だけでなく、「家を建てる」などの人生の目標も可視化することができる、日単位、週単位、月単位、年単位のToDoリストの柔軟な活用を重視している。
「手帳オタク」ならぬ「手帳活用ハウツー本オタク」の私も納得できる情報量豊富な内容であった。
『仕事で差がつく手帳の技術』
長崎快宏『仕事と差がつく手帳の技術』(2005 ぱる出版)を読む。
筆者愛用の「SD手帳」を中心に、リフィルの使いこなしテクニックや整理術、移動書斎術など、海外や旅先などパソコンが使えない環境を想定した仕事術を紹介している。私自身、システム手帳を使っておらず、パソコンをメインに使っているので、直接的に役立つ知識はなかったが、一人のユーザーとしての率直な感想が興味深かった。冒頭で、筆者は次のように述べている。
コンピュータ時代にローテクの手帳は勝ち目がないように見えますが、いつも手元に置け、思いついた時にサッと書ける機動性は捨てたものではありません。文化を「いかに有意義にムダをするか」と捉えれば、手帳ほど有能なパートナーはいません。短時間で仕事をこなし、余った時間で大いなる人生のムダを楽しんでください。

