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『絶妙な手帳メモの技術』

福島哲史『絶妙な手帳メモの技術:システマティックに使いこなせてあなたの将来を変える「すごい手帳」』(明日香出版社 2005)を読む。
著者オリジナルの手帳を売り込むのではなく、既存の手帳を台紙やノート、週間スケジュールのみ用い、遠い将来の目標から、当日やらねばならないToDoリストまで、すべてポストイットで管理する敏腕ビジネスマンを対象とした活用術である。著者はさらに、個人のアイデアやスケジュール管理だけでなく、企画書や上司との連絡においても名刺大のポストイットを活用したほうがよいと述べる。
手帳メモの技術よりも、日々のノルマから、実現が難しい将来計画まで、公私問わず目標に向かっていく著者のバイタリティに感心してしまった。

『KAGEROU』

第5回ポプラ社小説大賞受賞作、齋藤智裕『KAGEROU』(ポプラ社 2010)を読む。
最後はバタバタとした感じであったが、着想が面白く、ちょうど私とほぼ同じ年齢の40歳の自殺志願者の男が物語の主役として登場し、共感できるところも多々ある作品であった。
Wikipideaで調べてみると、作者の齋藤氏は高校時代にサッカー選手として全国大会にレギュラーとして出場し、慶応大学卒業後はモデルや俳優として活躍、そして歌手の絢香と結婚後、作家としてデビューを果たすという眉目秀麗、文武両道な人物である。
作家としての今後の活躍に期待したい。

『実力で見た日本の大学最新格付け:理系2007年版』

中村忠一『実力で見た日本の大学最新格付け:理系2007年版』(エール出版 2006)を読む。
先日読んだ大学格付けの理系版である。文系とは異なり、理系は専門分野が異なると評価しにくいためか、踏み込んだ格付けはなされていない。その中で、金沢工業大学や千葉工業大学は高く評価されていた。
私学助成金なるものは憲法89条に違反しているというのが筆者の持論である。また、「学問の自由」を隠れ蓑にした監査の緩い私学助成金制度が、私学の放漫な無責任経営を招き、引いては学生にそのしわ寄せがきてしまうと警告する。そして、筆者は私学助成金は丸ごと廃止する代わりに、私立大学を全て国公立化するか、徹底した奨学金制度の導入を提言している。
また、私学の医歯薬学系の学費の高さは、憲法26条の平等教育の原理に反すると述べる。

『実力で見た日本の大学最新格付け:文系2007年版』

中村忠一『実力で見た日本の大学最新格付け:文系2007年版』(エール出版 2006)を読む。
前半は財務諸表を参考とした大学の経営ランキングの分析がデータを交えて述べられる。後半は私学助成金と憲法89条の関連や私学の内部留保、授業料の高騰など、筆者の持論が展開される。

『心をつなぐインターネット』

大森しげる作・衣袋エミ子画『心をつなぐインターネット』(財団法人 日本原子力文化振興財団 1996)を読む。

日本原子力文化振興財団という原子力発電を推進する政府系外郭団体が発行しているので、おやっと思い手に取ってみた。

新聞部と放送部の中学生が初めてインターネットに触れ、海外の中学校とメールのやり取りをするという、昔なつかしいテーマの漫画である。しかし、前半はさすがにインターネットがテーマなのだが、後半は近所の原子力研究所を訪ね、原子力発電について学び、原発こそが環境問題解決の切り札であるという内容を学校のホームページに載せるというちょっと奇妙な内容となっている。

言葉は悪いが、インターネットの将来性や部員同士の恋愛などを隠れ蓑としながら、原子力発電の施設の五重の安全性や高速増殖炉による夢のエネルギーリサイクルなど、今になってみれば全くの眉唾物の説明が後半続く。作者には申し訳ないが、そうした展開パターンはインチキな新興宗教やいかがわしい通信販売の手引書と全く同じである。