読書」カテゴリーアーカイブ

『調べてみよう エネルギーのいま・未来』

槌屋治紀『調べてみよう エネルギーのいま・未来』(岩波ジュニア新書 2003)を読む。
エネルギーの定義に始まり、資源と環境や、太陽エネルギーの有効性、自動車のエネルギー効率など、エネルギー全般について解説を加え、持続可能な社会のあり方に向けて、具体的な技術開発の提案やライフスタイルの改善の必要性を訴える。

技術研究を専門としている著者なので、環境保全の徹底や極端な生活の見直しといった「文系」的なアプローチではなく、燃料電池車やコジェネレーション、モーターのインバーター制御などのエネルギー変換効率の高い技術の開発と、その技術への移行、普及といった「理系」的なアプローチに主眼を置く。また、原子力発電には否定的であり、太陽光発電や中・小規模水力発電、バイオマス発電、風力発電などを普及させていくための技術向上と政策的後押しが必要であると結論づける。

著者は望ましいエネルギー政策として以下の3つのポイントを挙げている。

  1. エネルギー効率の向上
    エネルギー利用効率を上げることは、コスト性能比が大であり、短期間で実現できる。一度実現されたエネルギー効率の向上は、以後有効にはたらき、長期的にひじょうに有利になる。
  2. 再生可能エネルギーの開発
    化石燃料から、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーのような永続的なエネルギーの利用へ転換していく。
  3. 移行期には天然ガス
    再生可能エネルギーが広く利用可能になるまでは、天然ガスのような環境への負荷の小さいエネルギー源を効率よく利用する。

『小悪魔セックス』

穂花『小悪魔セックス』(ベスト新書 2009)を読む。
元AV女優の穂花さんが、AVでの経験、女性としての体験を生かして、男性を母性で包み込みその気にさせる小悪魔セックスのあり方に始まり、ボディタッチのやり方、前戯のさじ加減、挿入のテクニック、体位を変える際の「間」など、大変細かいディテールまで踏み込んで丁寧に書かれている。男性女性双方に向けて書かれており、お互いがお互いを悦ばせる穂花さんのスタンスが貫かれている。

40過ぎたおっさんには、あまり必要無い話が多かったが、男女のセックス観の違いがよく分かった。
あとがきの中で、著者は次のように述べる。ゴーストの手にしても、なかなか現代社会批評ともなっている奥が深い名文だと思う。

 いまの世の中、男の人は大変だと思います。
 セックス以外のことでも、常に「勝ち」を求められています。
 仕事でも学校でも、私生活でも、勝たなければいけない。
 負ければ、どんどん社会の隅に追いやられていきます。
 モテる男の人と、モテない男の人がくっきり分かれているのも、こうした格差が原因だと思います。
 そして、女の子は女の子で、満足させてもらうのは当たり前みたいな考えを持っていて、満たしてくれなければ、何もかも男の人のせいにしている気がします。
 これでは、二人で愉しむセックスなんてできません。
 (中略)ちょっとだけでもいいので、試してみてください。女の子が責めること=優しくなることで、男の人もありのままの自分を出せると思うのです。そしたら、お互いに自信が持てるようになるはずです。
 小悪魔は悪い女だけど、アゲマンだとも私は思っています。
 責められる悦びを覚えた男の人は、反対に「男」を取り戻すのです。
 母性的でエッチな「小悪魔」の虜になることで、その女の子を守るために頑張って困難に立ち向かう、といった姿勢が生まれてくるのです。
 それはきっと、人生そのものを生き抜く力にもなるはずです。
 大げさかもしれないけど、本当にそう思うのです。

『1日5分 頭がよくなる習慣』

佐藤伝『1日5分 頭がよくなる習慣』(中経出版 2007)を読む。
「5分だけで頭が良くなるのであれば、日常の努力は不要になってしまうでしょ」とツッコミを入れながら読み進めていった。
25年以上にわたる学習塾主宰の経験から生み出された、脳、心、体の特質を最大限に生かした学習法のノウハウが紹介されている。
早朝学習の習慣や「15分学習+5分チェック」の細切れ学習、教材をバラバラにして学習のハードルを下げる方法など、学習習慣のコツが丁寧な語り口で紹介されている。またモチベーションの向上や達成感、自己肯定感などの心のケアについても分かりやすく解説されている。他にヨガの活用やツボ押しなど、身体的な側面からのアプローチにも触れられている。商品の紹介やセミナーの告知などもあったが、この手の自己啓発本としては良心的な内容であった。

  link:【 習慣とひとりビジネスの専門家 】 佐藤 伝 公式サイト | satohden.com

『シュレディンガーの猫』

小倉千加子『シュレディンガーの猫:パラドックスを生きる』(いそっぷ社 2005)を読む。
あちらこちらの新聞や雑誌に書き散らしたコラムが時系列を無視して並べられている。書評やら日常の雑感やら対談など、まとまりも節操もなく、筆者の名前だけで売らんかなという本であった。

『女生徒の進路』

和田典子『女生徒の進路』(岩波ジュニア新書 1981)を半分弱ほど読む。
本日読んだ小倉千加子さんの『結婚の条件』の補足資料のつもりで手に取ってみた。
ただ、小倉さんの現代的な丁寧な語り口とは雰囲気を大きく異にする。商店街の中にある古本屋の本棚の上で埃をかぶっている岩波講座に出てくるような内容であった。参考文献にも「赤旗」や「新婦人しんぶん」が挙げられ、共産党の色が濃くなっている。また、学生時代に『社会発展史入門』や『空想から科学へ』を読んで、科学的社会主義を学ぶサークルに入って自分の専門を決めることができた女子学生の例や、朝鮮戦争の頃の組合活動で知り合った男性との自由恋愛、細井和喜蔵『女工哀史』や山本茂実『あゝ野麦峠』などの過酷な労働条件からの改善運動などの話が紹介されている。
しかし、果たしてこんな堅苦しい内容が、1980年代の中高生に受け入れられたのであろうか。疑問を禁じ得ない。1950年代の間違いではないのか。